続・思えば思わるる？いいや逆だひっくり返せ！

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東「ハニー！」




貴「ッ…大丈夫です！」










勘違いした









呪霊はあらぬ方向に曲がった右腕を見て
呻いていたから


攻撃より先に腕を再生させると思った









だから隙ができたと思った









実際は違った









背中が見えていたのに
今はしっかり向かい合っている









貴「意外に視野が広い？







再生が私の攻撃に間に合わないと判断した？









発見されたのは最近なのに
…生まれてから時間が経ってる？」






いや、狡猾な呪霊は
経験に基づいた行動をとるわけじゃないか








でも1級案件でそんな…








貴「ふぅ…」









左脚が痛い









膝から踝にかけて一直線に切り傷









5本ある爪でこれなら上手く避けたほうだ









傷も浅い



呪霊は私を見たまま動かない









何もせず
沈黙していた









東「？」







貴「…？？









再生…させない？









まさか
いや、でも…」









待っても再生する素振りはない









確かにそれはこっちにしては好都合、だけど









貴「…出来ないの？」









呪霊は反転術式と違って簡単に傷を治せるはず




全ての呪霊がってわけじゃない？









そんなまさか
自己補完にすぎないのにできないわけがない









東「再生させないのか




再生できないのか








…一級か？本当に」






貴「…」









もしかして





そんなに警戒する必要はなかったのだろうか







等級を見誤った？









懐に入ったら何かしらされるだろうと
様子を見ていた









1級ともなれば術式、
場合によっては領域を行使してくる場合もある









でも鋭利な腕を振り回すだけ








それ以外に何かできる気配はない









折れた腕はそのままに私を見たまま動かない









12m









距離を詰めてくる様子もない

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