* E N E O S * ページ48
若林 side
『JX- ENEOSでしたか?』
G60「そうですよ。知ってますか?」
G49「お前、プロ知らんのに社会人知ってるん」
『都市対抗野球の応援行ってたもん』
G60「ENEOSの?」
『はい!私、出航のテーマ好きです』
G60「え?マジの応援団じゃん!」
慎吾、Aちゃんってすごいね!と言うと、おん。と素っ気ない返事。え?何?嫉妬?てか、お前ら同い年やのにいつまでお互い敬語なん?と言うから、そんなん聞いてないと言うAちゃん。
G49「てか骨折大丈夫なん?」
『あれ?私、慎吾に言った?』
G60「骨折!?」
G49「卓さんと遥輝さんに聞いた」
慎吾、きっとすごく心配してくれるだろうから言わなかったのに。卓さんと遥輝さんのバカ。と隣で不貞腐れるAちゃん。頼ってって言ったやん。何も言われんで後で知った方が嫌や。と慎吾。あれ?この2人付き合ってるわけじゃないよな?
『今ね、リハビリ中なんだ。来月からキャンプやからそれには頑張りたいの』
G49「その足でついて行くつもりなん?」
『当たり前やん』
G49「雪で足滑らせて左足首骨折。その後、ボルトとプレート入れる手術やもんな」
G60「ええ!?大丈夫なの?」
『大丈夫で…』
G49「大丈夫ちゃうやろ、鍵さんに随分とお世話になったらしいやんか」
『だってえ……』
私、ちゃんと気を付けたもん。とまたまた不貞腐れる。ていうか、ものすごく眠そう。車の揺れってめっちゃ眠たくなるもんなー。
G60「Aちゃん、眠いの?」
『眠くないですよ』
G49「昨日は何してたん?」
『昨日は前の職場で1当番、救急車乗って実習してた』
G49「寝た?」
『1時間寝た』
G49「寝ててええよ」
『ん、ありがとう』
そう言うと、すぐに寝る体制に入って5分もしないうちに隣で大きく船を漕いでいて危ないから、俺の肩に引き寄せると、ピクッと運転席の慎吾の眉が動いた気がした。
G49「まじ、Aに惚れるとか無しやからな」
G60「心配しなくても大丈夫だから」
まあ、確かに可愛いとは思うけどね?と言って寝顔を覗き込むとパカッと開いた口から涎が出てきそうだから、カバンに入れてきたハンカチを、俺の肩とAちゃんの顔の間に挟む。
G60「今度、3人で飲みに行きたいかも」
G49「いいやん!若林、企画してや」
G60「俺ら2人で来シーズン一軍上がれたらにしようよ」
G49「頑張れる気しかせえへん」
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作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O
作成日時:2018年9月24日 20時