それはまるで魔法のように【７】 (ページ47)

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石川 side

G60「慎吾！早くしないと」

G49「１２時までやろ？そんな１２時に終わって１２時なんか着かへんわ」

G60「でも」

G49「でも。やないわ」

練習が終わってすぐ、片付けをしていると若林が、早くしろと急かしてくる。ちょうどええから、Aに紹介したろ。と思って、お前が取り付けた約束やから、お前も行くよな。と言うと、俺はいいよ。と

G49「ええやん。別に。Aも若林も球界に知り合い１人でも多い方がええやん。楽しいやん」

G60「えー、俺、人見知り」

G49「同い年やし、Aは人懐っこいから大丈夫や」

シャワー浴びてから迎え行くから、早く！と今度は俺が若林を煽る。え？ええ！？と言いながら俺の片付けも手伝ってくれる。２人でドタバタしとったから、周りは何や何や。ってなってたけど、御構い無しにドタバタ。

G49「早く乗れ！」

G60「乗りまーす」

一旦、寮に帰って着替えてきた若林を後ろに乗せて、ジャイアンツ球場を出る。球場までの坂道を下って、京王稲田堤駅に向かう。

G60「Aちゃんってどんな人？」

G49「チビ、よく食べる、意外と頭ええ、元消防士、楽器吹く、ダンスする、うるさい、可愛いとかっこいいが混在、料理上手、掃除と洗濯下手」

G60「で、結果どんな人なの？」

G49「うーん。気立ての良い優しい奴やな」

G60「後は？」

G49「くそ可愛い」

G60「はいはい、早く彼女にしてください」

京王稲田堤駅の近くに車を停めて、電話しようとすると、フロントガラスをコンコンと２回叩かれて。外を見ると、Aが手を振ってるから、後ろ乗れとジェスチャーする。

『私、乗ってええの？』

G49「羽田に送るんやからええに決まってるやん」

『でも先客…』

G49「とりあえず、乗って」

若林が助手席に詰めて、運転席の後ろに触る。羽田までお願いしまーす。とAが言うと、隣の若林が幡ヶ谷は！？と言う。

『首都高、降りるの面倒臭いやろ？』

G49「ええの？」

『うん、羽田まで送って？』

G49「了解」

状況としては、２年前の自主トレの遥輝さんとAの状態。府中街道を通って、首都高の入り口に向かう。Aは多分、若林の事、知らんやろうから紹介してみる。

G49「A、若林知ってる？読売巨人軍、背番号６０の若林晃弘」

『私、若林さん、知ってる気がするんやけどな』

G49「遥輝さん知らんかったのに？」

『うん…』

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