＊ ボ ロ ボ ロ の 足 ＊ ページ26
松本 side
12「タンバリン、何に使うの？」
G49「楽器を持って踊るって言うてた」
３０分みっちり柔軟をやって柔らかくなったと錯覚しながら休憩中。Aが着替えてくるわ。と部屋を出てから１０分。白Ｔシャツ、ボルドー色のフレアスカート、黒トレンカタイツのバレリーナスタイルで登場。
15「踊る人っぽい」
『ぽいじゃなくて、踊る人なんやけど」
ペタンコの靴みたいなものを持ってペタペタ素足で寄ってきて、どかっと座る。爪には赤色のペディキュアが施されていて、女子力。とか思ったのも一瞬で、Aの足は決してキレイと言えるものではなかった。
12「足、ヤバくない？」
『ああ、これ？ヤバイよな。めっちゃボロボロ』
見れたもんやないな。ごめん、汚いものを見せて。とすぐに薄い紫色のペタンコの靴みないなものを履いて隠す。バレエってすごい優雅に踊ってるから、そういう過酷な感じじゃないって勝手に思ってたけど、それはただの偏見で。
『爪割れるし色とかヤバイし、豆やらタコやらめっちゃできるし、足の形、変形するし』
G49「俺らの手の豆よりヤバイやん」
『色とりどりな豆が汚さを倍増させんねん』
12「踊ってるところ見たい」
『見せもんちゃうで』
8「いや、見世物でしょ」
15「爪先で立って踊るの？」
『バレエする時の床とちゃうから今日はトウシューズでは踊らへんよ』
見てみたかったな。と言うと、今度な。何て軽く遇らわれる。今度とお化けは出たことがない。……あれ？最近、俺たちの扱い雑じゃない？
『ある程度、身体温まってきたらお客さん役やってほしいな』
G49「ええで」
『やった』
てか、体幹トレーニングやらんの？と聞かれて、本来目的を思い出す。今回のメニュー考案者は俺。道具が無いから自重トレーニングね。と考案メニューを披露。
Aとは別メニューをこなし始める９３年組。慎吾がファイターズのメニューっぽい。と何故か懐かしむ。ああ、そっか。そうだ慎吾は巨人だ。
鏡に向かって身体の使い方の確認しているAをちょいちょいチラ見していたら、鏡越しに目が合って、ニヤッとされる。いつも降ろされている髪の毛が今日はバレエモードのお団子だから、雰囲気が違ってドキッとする。
『剛、チラチラこっち見てないで集中しろやー』
12「えぇー、それ言う？」
G49「今日の仕切りやろー、集中せーや」
15「そうだ、そうだー」
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作者名：歌子(かこ) | 作者ホームページ：https://bit.ly/35Iex9O
作成日時：2018年8月10日 11時
