それはまるで魔法のように【３】 (ページ32)

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＊すんなり＊ページ32

You side

9「Aちゃん、あんな？」

料理が来る前にちょっと話したかことがあるんやけど。と急に真剣になるもんやから、飲んでいたビールのグラスを置いて卓さんの方を向く。

9「来シーズン限りで俺らんチームの看護士さんが退職するのな。で、その看護師さんの後に俺と大将はAちゃんを推薦したかて思う。」

『わ、たしですか？』

9「そう」

『私、野球の知識ないですし、ましてや救命士やから看護師とは程遠いですし』

何で私なんですか？と聞けば、チームの人らとすぐに仲良くなれるし、ダメな事はダメってしっかり発言できる。これは個人的な意見やけど、Aちゃんがおってくれたら、もっともっと楽しく野球ができそう。と。

7「俺も来て欲しいと思う」

『遥輝さんも？』

9「すぐには答えは出えへんと思うけん、ゆっくり考え」

『ええですよ？』

7、9「は？」

『やから、ええですよって』

こんな私を必要としてくれるところがあれば、そこで必要としてくれる人に答えたいですもん。よろしくお願いします。とあっさり答えると、ポカンと口を開けたお二人。

お待たせしました。と料理を運んできてくれた店員さんに、ありがとうございます。ここ置いてください。と言うと、わかりました。とテキパキ置いて去っていく。

7「え？やって消防辞めなあかんねんで？」

『そうですね』

9「こっちでやってるFarmとかリボンズとかもできなくなるんやで？」

『特別枠団員にしてもらうから大丈夫ですー』

ほんま、大事な事なのにあっさり決めるな。と苦笑いの遥輝さん。私の人生ですもん。私が決定権者です。と言うと早速卓さんが翔さんに電話をする。

9「もしもし、大将？」

6《おう、どないしてん》

9「AちゃんからＯＫの返事貰いました」

6《は？嘘やん》

9「本当です」

電話している卓さんの携帯から翔さんの声が漏れて聞こえてきて、A居てるんやろ？代わって。と言う声が聞こえれば、はい。と携帯を渡して来る卓さん。

『Aです』

6《ええの？》

『はい。私は私を必要としてくれるところで働きたいです』

6《なら、推薦しておくから、結果は年明けに球団から電話が来ると思うからそれ待ってて》

『わかりました』

なら卓に変わって。と翔さん。はい、と卓さんに携帯を返して、さっき運ばれてきた料理をパクリと食べる。

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