* 1 年 を 振 り 返 っ て * ページ31
西川 side
7「あと5分くらいで着くらしいですよ」
9「なら飲み物、頼んでおこう」
振り返りながら、すいませーん、生3つで。と店員さんに伝えると、はい、わかりました!と返ってきて、テーブルの向かいの卓さんに正対する。
7「代わりの看護師さんの話し、有ったんですね」
9「特に監督からは口止めされてなかったし、一軍に帯同する人やから、選手とも仲良くできる人が良いって事で、大将と俺に相談してくれたんや」
7「もしAが、いいよって言えばいつから何ですか?」
9「キャンプからやろ」
7「すぐやないですか」
まあ、Aちゃんにも色々あるやろうし、まず承諾してくれるかわからんし。とおしぼりで卓さんは顔を拭く。
『お疲れ様です、遅くなりました』
7「バレエお疲れ」
『え?何で知って……あ、そっか上沢が拡散したんやった』
荷物もらうで、とAの深緑色のショルダーバッグを受け取ると自然と卓さんの隣に座る。何か頼みましたか?と。少し前に生3つ頼んだで。と答える。
7「あ、来た来た」
9「はい、かんぱーい」
『かんぱーい』
それにしても良く予約取れましたね。とビールを半分くらい一気に飲んだAがグラスを置きながら言う。
7「11月入って直ぐに電話してん。前の月の1日から予約受付になっててな」
9「遥輝と鎌ヶ谷のロッカーで繋がるまで必死やったからな」
『そんな苦労して取ってもらって…私が来て良かったんですか?』
電話で約束したから問題なか。とメニューをAに渡す卓さん。好きなもん頼んでええよ。と言う卓さんの言葉に目がキラキラする。わっかりやす。
とりあえず、これと、これと、これと、あと……これを頼もうかなと思うんですけど、嫌いな物とか有ります?と言われれば、2人してないと答える。ほんなら頼みますね。と店員さんに注文して、こちらに向き直る。
『今年ももうすぐ終わりますねえ』
7「せやな。年明けたら自主トレで、すぐにキャンプで、すぐシーズン始まんねんなあ」
『何か今年はすごく野球に関わることが多い年でした』
7「そおなん?」
はい、宮崎自主トレに連れてって貰って遥輝さんと亀さんと到さんと出会って、札ドのイベントで卓さん、翔さん、拳士さん、鍵さん。ライブで優心くん。夏に慎吾の家でやった93年会でこんちゃんと剛と上沢。納会で宮西さんと雄也さんと亮とみーくん。沢山の野球選手と出会いました。と
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作者名:歌子(かこ) | 作者ホームページ:https://bit.ly/35Iex9O
作成日時:2018年8月10日 11時