贔屓 ページ21
それから数日で安静が解除され、
彼女はいよいよアジトにやって来ることになった。
その数日でリストにあった顧客は
ほぼ調査が終わっており、その数およそ20人。
ここ数年の、単独での犯行にしては多かったため、
仲間の存在を危惧していた幹部達だったが、
最初は女をまとめて自分の病院で囲い、薬を投与していたらしかった。
捕まえた女は、ほぼ記憶障害を起こしており、
食中毒を偽装して一般の病院に運ばせた。
女を飼っていた悪趣味な奴らについては、
大きな弱味を握る形に。
これから九井が上手くやるだろう。
『ここは…、一体…。』
黙って医者に着いてきたものの、
立派すぎる高層ビルに圧倒されるA。
言われた通り中に入るも、
2人の受付嬢がこちらを見て、眉を顰める。
嬢 「いらっしゃいませ。
失礼ですが…どなたかとお約束でしょうか?」
約束…。
えっと、行けと言われたから来ただけって、マズイかな…。
焦っていると、益々怪しむ隣の受付嬢。
『あ、あの、
…蘭さんか、竜胆さんは
此方にいらっしゃいますでしょうか…?』
嬢 「…お2人のどちらかとお約束を?」
嬢 「こんな格好の子が、あの2人と知り合いなわけないでしょ。
たまにいるのよね、こーいう勘違い女が。」
嬢 「…ちょっと、お客様の前よ。」
嬢 「あのね、2人とも、あなたみたいな子とは釣り合わない、雲の上の人なの。分かる?
何で名前を知ってるかは知らないけど、
あなたが気安く会えるような人じゃないから
諦めて早く帰ってね。」
『…でも、此処に行けってお医者様に…。』
嬢 「はあ?…何言っ…。」
? 「…おい。」
その受付嬢は、まったく聞く耳を持ってくれる様子はなく、
まぁ、私も甚だ場違いなのは自覚しているので、出て行こうかと考え始める。
…それにしても、美人の怒り顔はなかなかの迫力。
するとそこに誰かがやって来た。
随分若い人がいるなぁ…、なんて思ってたら、
私の手首をとって歩き出す。
受付嬢の2人は目を丸くしているだけで、制止してくる様子はない。…いいの?
その人は、近づいて来たスーツの男性に何か話すと、
受付嬢をちらりと見た。
それにスーツの男性が頷き、離れていく。
その少し後、
後ろで怒鳴った方の受付嬢が
何やら騒いでいた。
嬢 「…は?クビ…?
確認もせずに追い返そうとした…?
そんな…。
…あの方に連れて行かれるって、何なのあの女…。」
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きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» がんばります!ではでは(^^) (2022年11月15日 17時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月_siduki??_(プロフ) - 頑張ってください(ง •̀_•́)ง (2022年11月15日 17時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!このコメント欄でのやり取りを繋がってるって言うのかな?疎くてすみません…(^_^;)今作も楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2022年11月15日 16時) (レス) id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
紫月_siduki??_(プロフ) - いや…すきで読んでるんで!!!キリンさんとは…本当に繋がりたいです((繋がってるのかな、? (2022年11月15日 16時) (レス) id: 6f5f0e8f06 (このIDを非表示/違反報告)
きりん。(プロフ) - 紫月_siduki??_さん» 紫月さん、こんにちは。ありがとうございます。お手隙な時にでも、気軽にお読み下さると嬉しいです! (2022年11月15日 16時) (レス) @page23 id: 8c61cff3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりん。 | 作成日時:2022年11月5日 18時