【ハリポタ】悪あがきでもしようかとⅣ (ページ25)

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第165話　彼の敗北を刻むページ25

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リリーはその様子を見て鼻で笑った。

「あら、まさか証言だけ？笑わせるわね。それも手を引いていただの何だの、下らない噂の証拠でしょう？Aが人を呪ったところを誰か見た人はいる？闇の魔術を使ったところは？ねえ貴女、目撃者だっていうなら今ここで証言してみなさいよ！！」

「ッ、ていうかリリー、アンタAの何？理由もなく突っかかってこないでよ！」

「＿＿＿私は！Aの親友よ！！誰よりも！！誰が何と言おうとも！！」

リーマスは、頭を金槌で強く叩かれたような衝撃を受けた。

Aのために何の躊躇いもなく火中の栗を拾うような真似をするリリーに。
Aの親友だと胸を張って宣言できるリリーに。

誰の為かという点では差異はない筈なのに、何故こんなにも自分が打ちのめされているのか。
この敗北感はなんだ。

差異がないだと？そんなわけないじゃないか。
“彼女の為”に立ち向かったリリーと、“彼女の為”に黙秘した自分。そう、そこに差異はない。問題は、前提にある。
自分は、彼女を思う気持ちの片隅に、いつも保身が含まれているのだ。

彼女の為などと言って、自己防衛への大義名分にしているのではないか。

助けられるのに権利がいると、彼女はいつか自分に言った。その権利ならば、幾らでも自分が与えてやれるだろう。手を差し伸べる、ただそれだけでいい。

けれど、僕が彼女に手を差し伸べる権利はあるのだろうか。彼女と友達になる資格を、自分は果たして持ち得ているのだろうか。

堂々と庇えずして、何が友達か。
隠し事など、何もないような顔をして…

「＿＿＿おや、これは一体何の騒ぎだい？」

背後から聞こえた声が、緊迫した空間を切り裂いた。

「ん？誰かと思えばムーニーとワームテールじゃねえか。お前らが揉め事を起こすなんて珍しい事もあるもんだ」

さらに場に乱入してきたのはジェームズとシリウスだった。ローブの端が焼け焦げ、髪は突風に煽られたように乱れているのを見るに、またAかスネイプかに絡みに行っていたのだろう。

「それだけじゃあないぞ相棒、見ろよ！あれはもしや我が愛しのリリーではないか！どうしたんだいリリー？何故彼女たちは君を睨みつけているんだい？さあ何でも言ってごらんよ！僕が来たからには君には傷の一つも付けさせないさ！」

予期せぬ乱入者に女生徒らは面食らい、焦燥した。ジェームズがリリーに懸想している事を知らない者はグリフィンドールにはいない。

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