【ハリポタ】悪あがきでもしようかとⅣ (ページ24)

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第164話　その怒りに花の名をページ24

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「悪いけど、僕から言うことは何も＿＿」

そう言いながら、ピーターに目配せをした時だった。

「ふざけるんじゃないわよ！！」

突然鋭い声が響いた。綺麗な赤毛を靡かせ、エメラルドの瞳を憤怒に爛々とさせ、乱暴な足運びでこの場に降り立ったのは＿＿＿

「リリー…！？」

「リーマス、ごめんなさいね。ちょっとお話に横入りさせて頂くわ。宜しいわね？」

「あ、ああ………ッ、ピーター！痛いよ！」

「ごっごめん！でっ、でも…！だって…！！」

有無を言わさぬ声色に、リーマスは本能的に頷いていた。ピーターが先程よりも怯えているのは気のせいではないだろう。彼女の目が此方を捉えた瞬間、ピーターの震える手が腕を鷲掴み、指が食い込んだ箇所から痛みがはしった。

「今Aの悪口を言っていたのは貴女達ね！？」

ジェームズを叱責する時より、シリウスに憤慨する時より、彼女は今までにない程に激昂していた。リーマスは呆気に取られ、目の前の急展開を眺めることしかできなかった。

彼女の目が女生徒らを捉える。彼女達はリリーの剣幕に一瞬怯んだものの、気丈にも言い返した。己の沽券の為である。しかしそれが無謀な空威張りだというのは、誰の目から見ても明らかだった。

この場の空気は既に、彼女が最初に声を上げたその時から、リリーに掴まれているのだから。

「だ、だったら何だっていうのよ、私はただAが闇の＿＿」

言葉はそこで止められた。
リリーの平手が女生徒の頬を打ったのだ。

ろくに身構えることが出来なかった掌は、パンッと小気味良い音を立てて女生徒の頬に赤い痕をつくった。
生徒はよろ、と倒れ込むと、己の頬を掌で押さえ、信じられないという顔でリリーを見上げた。
キャア、と女生徒らの甲高い悲鳴が上がる。

非難の目を向ける彼女たちに構わず、リリーは感情を露わに捲し立てた。メラメラと燃え盛る瞳が、彼女の怒りの深さを物語る。

「呪い！？純血主義！？Aはそんな子じゃないわ！Aをこれ以上乏したら私が許さないわよ！！証拠のひとつもないくせに勝手なことばかり言わないで！」

「しょ、証拠ならあるわよ！目撃者がいるんだから！」

そう言いながら一人の女生徒が途中で参戦した証言者を前に押しやった。彼女は驚いた様子で女生徒らの顔を振り向いたが、皆揃って目を逸らし、目を合わせる者はいなかった。

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