【ハリポタ】悪あがきでもしようかとⅣ (ページ22)

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第162話　君が苛まれる悲しみページ22

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リーマス手繋ぎ事件から数日が経ったある日の放課後に、それは起きた。

グリフィンドール寮はテスト期間を除いては、活気あふれる生徒達の健康的な声が聞こえてくるのが常である。

しかし今日は何やら様子が違う。
談話室の入り口を潜って直ぐの場所で、甲高い声で騒ぎ立てる数名の女生徒が何者かを取り囲み、口々に問い詰めていた。

台風の中心にいるのは授業を終えて寮に戻ってきたリーマス・ルーピンである。勘の良い方はこの名前を聞いただけで、事態のおおよそが把握できたのではないだろうか。

彼が足止めを食らってから既に５分が経過していた。
彼の表情には疲れが滲んでいる。たかが５分、されど５分である。相手の都合を勘定に入れない者からの、無遠慮な追及ほどうんざりするものはない。

溜息を吐きたくなって、やめた。みすみす火に油を注ぐような真似は避けるのが賢明である。

自分の背後には一緒に帰ってきたピーターが可哀想なほど縮こまってしまっている。今の状況にすっかり気圧されているのだ。自分が蒔いた種とはいえ、友達を巻き込むのは本意ではない。

リーマスが一人頭を悩ませていると、目の前の女生徒らとはまた別の声が横から聞こえた。

「それ、私見たわ」

声の方に目をやると、そこにはまたも女生徒がいた。自分の記憶が正しければ同級生の筈であるが、彼女の目は極めて冷たかった。彼女は立ち上がると、こちらに近寄りながら自分の見たものを証言し始めた。

「信じられなかったけど、あの日図書室の前でAの手を引いていたのは、確かにあなただったわ。…あのAと随分仲がいいのね」

彼女の証言から女生徒達は更に熱くなり、発言は過激さを増していった。

「なら、あの噂は本当だったのね…！？」

「貴方はあの女の本性を知らないからそんなこと出来るんだわ！いつもおかしな本を読んで、気味が悪いったら！それに、本に載っている呪いの効き目を生徒で試しているって話よ！」

あの子がいつ人を呪った

「そうよ！貴方もA家の徹底した純血主義を知っているでしょう！？あの女、人を呪うのに眉ひとつ動かさないのよ！？貴方もいつか殺されちゃうわ！」

あの子は純血主義なんかじゃない

「あんな奴と関わりを持つなんてダメよ！彼女、あの年でもう闇の魔法使いに勧誘されているのよ！？」

何も知らない癖に、適当なことを言うな

……ああ、でも、きっと僕だって

君のこと、なんにも知らないんだろうな。

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