【ハリポタ】悪あがきでもしようかとⅣ (ページ15)

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第155話　私は既に駒だけどページ15

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Aはリーマスに手を引かれながら、この状況…よく考えたら中々にまずいんじゃないか？と今更ながら思っていた。

ここは私が普段使っているような隠し通路でなければ、薄暗く人通りの少ない地下道でもない。当然人目はあるし、何なら既に好奇の目に晒されている。スリザリンの女子生徒の手を引くグリフィンドールの男子生徒なんて格好の注目の的だ。これではどんな噂が立つのやら、考えたくもない。

かといって自分から周囲に何か弁解した所でかえって立場が苦しくなるだけのような気がするし、そもそも面倒なのでもし妙な噂が立ったら、その対応はリーマスに丸投げしようそうしよう。

一つ問題が解決したところで、Aの懸念することはそれだけはなかった。この後すぐにその辺りの空き教室かどこかに連れ込まれて尋問タイムが始まるであろうという予感が、Aの胃をチクチクと刺激している。

確かに私は、人と話すときは１対１の方が気が楽になる方ではある。演説なんて強制されたってやりたくない。が、それがこうも連日続くとうんざりしてくる。

敢えて言うならばセブルス君とレギュラス・ブラック。この２件は間に数日挟んでいるとはいえ、私の精神力をゴリゴリに削り取っていった。

何度も言うが、頭の良い人を相手に喋るのはかなり疲れる。これでも私の前世は普通のOLだったのだ。セブルス君はまだリラックスして話せるからともかく、レギュラスには疲れているところにとどめを刺されたような感覚さえある。実際、校長との訓練後というあの状況はそうとも言えるようなものだったし。

そんな状態で、これからリーマスの追求を煙に巻くのは無理がある。リーマスはきっと、私が口を割るまで私を解放しないだろう。それは絶対に避けたい。

もし話すなら、私と校長との関係性や置かれている現状を全て打ち明けることになるし、知ってしまったリーマスを否が応にも巻き込まざるを得なくなる。校長がきっとそうするからだ。

校長はああ見えて普通の人の何倍も慎重な質だから、大なり小なり何か行動する場合決まって頭の中でおおよその筋道を立てるのだ。それから、その結果に至るまでに何が必要かを定めていく、それがあの人のやり方。

私がリーマスに話したら、彼がその筋道に加えられてしまうかもしれない。

セブルス君の時とはわけが違う。あの時のように私に逃げ場がどこにもないわけでも、リーマスに覚悟があるわけでもない。私にも、彼を巻き込む覚悟がない。

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