第54話 ドレスを着ても君は ページ7
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指定された時間より早く訪問し、私を迎えに部屋に来た融通の利かない紳士、またの名をマルフォイ先輩は、現在固まってしまっている。
ノックしてドアを開け、私を目にした途端にこちらを凝視したまま動きを止めてしまった。
…一体何を見てそんなに驚くことが…？
だが、数秒もしないうちに先輩は意識を取り戻した。
「…A、その格好は…」
一体どこを見ているのかと思っていたが、先輩のこの発言により明らかとなった。
「……似合わないでしょう」
自分を見ているのだと気づき、急に恥ずかしくなった。ヒェツキーの言葉はやはりお世辞か、もしくは私への欲目ゆえか。
ほら、私には似合わない。煌びやなドレスも少し背伸びをした化粧も、美しい宝石も。
「…いや、似合っているさ。とても…綺麗だよ。ジロジロと不躾に見た挙句勘違いさせてすまなかったね。つい、見惚れてしまった」
「……どうも」
…この人自体は別として、この人のセンスは信用してもいいだろうか。
この人の口の巧さは今に始まった事ではないが、一応褒め言葉として受け取っておこう。
ヒェツキーからドレスに合わせた上着を受け取って部屋を出る。
さすがイギリス紳士というもので、部屋から車までの道中でのエスコートは完璧だった。これで顔が良いのだから世の中は不平等である。
慣れないヒールにもたつく私に、慣れたように差し出される腕。歩きにくかったのは本当だったので素直に甘えた。
完璧すぎて少々気味が悪いな、とAは思った。
普通の女の子が今のAの立ち位置にいるとすれば、赤面の一つは見せていただろうが、本人はいたって涼しい顔をしている。
しかし仕方のない事と言えよう。
何せ彼女は、Aが緊張しているのだと勘違いしている彼のリラックスしてほしいと話をする気遣いを物ともせず、立食パーティーで出されるであろう食事に思いを馳せているのだから。
これではマルフォイ先輩が不憫に思えるが、A相手では仕方がないとしか言えない。
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亜京目(プロフ) - 有難うございます！ストレートな褒め言葉に顔のニヤケが収まりません…これからもよろしくお願いします。 (2018年12月4日 20時) (
レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - こんにちは、初コメ失礼致します。物語の設定とか描写の仕方がドストライク過ぎてとても好きです(^^) これからも更新楽しみにしてます。体調など崩されぬようご自愛くださいませ。 (2018年12月2日 14時) (レス) id: 1a92e170c3 (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - 雨さん» コメント有難うございます。最近の話の流れが難しく、四苦八苦しながら更新している状態です。ですが必ずまとめてみせます。これからもこの作品をよろしくお願いします。 (2018年9月22日 16時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
雨(プロフ) - 頑張ってください！更新楽しみにしてます！ (2018年9月17日 21時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
亜京目(プロフ) - fairy taleさん» 暖かいお言葉をありがとうございます。自分の好きなように書いている物を読んで頂いていること、誠に感謝しております。これからもどうぞご愛読の方よろしくお願い致します。 (2018年8月29日 20時) (レス) id: 7f37cdc276 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：亜京目 | 作成日時：2018年8月17日 22時
