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放課後。

雨の日は、普段校庭を使う部活が校内のいたるところでトレーニングをしている。



筋トレをこなす運動部を横目に昇降口に向かう。

今日バレー部はオフだ。




うちはいつも第2体育館を広々使っているが、雨の日は他の部活が流れ込んできたときは半分場所を譲ることもある。


今日はそれプラス体育館の点検が入るという事で、もう練習にならないからオフにしてやると監督から連絡があった。






家に帰って何をしようか考えていたところ、前方で不審に動く藍沢をみつけた。

何が不審かというと、昇降口の手前の廊下を挟んだ角で、膝上まで短くしたスカートを下ろして膝丈にしている。


おまけに壁越しに廊下の様子をうかがっている。


なんだか見ているだけで面白い。





もう少し見ていたい気持ちもあるが、話しかける絶好の機会を失ってはいけない、と彼女の背後に忍び寄る。







「なにしてんの」

『っ?!』





真後ろから声を掛けると、勢いよく彼女が振り返った。


下ろされた長い髪が揺れてふわっと薔薇の香りがひろがる。



『あ、あかーし…」

「今度は背後に立ってみた」

『…もうやめてよ……』




相当驚いたようで、心臓に手を当ててその場にへたり込んだ彼女。

それに合わせて、自分も足を折り曲げて目線を合わせる。

こんな時でも俺は、彼女の心臓を一時的にでも支配したことに優越感を感じてしまう。




「ごめんごめん。で、こんなところに隠れてなにしてんの」

『あ。ねえ赤葦、私の靴とってくれない?』

「靴?」

『そう、すぐそこの赤葦の靴箱の上の。おねがい!』






両手を合わせてお願いされる。

別に断る理由もないので「いいけど」と言って言われた通り、出席番号1番のげた箱から茶色いサイズの小さなローファーをとる。




『ありがと助かった!』

「いいけどなんで靴なんか」







お願いします!!!







俺の言葉を遮って、威勢のいい大声が廊下に響き、無数のバタバタという足音がこちらに向かってくる。





「やば…ちょ、後で説明する。とりあえずこっちきて」

「?!ちょ」




いまいち状況を理解できないでいると、グイッと腕を掴まれる。

咄嗟の事に思わず顔に熱が集まる。







あーくそ。

こんなことで赤面してどうする俺…。



藍沢は意図してやってるわけない事はわかっているのに、それでも俺は2人の繋がれた部分を意識せずにはいられない。





腕を引かれて階段の踊り場に連れ込まれる。

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もふもふぷりん - この作品めっちゃゃ好みです。こういうのあんま見たことなかったんですけど、はまりました。 (2021年6月14日 23時) (レス) id: 3a2887f079 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kiki | 作成日時:2020年6月2日 0時

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