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7話 ページ7

食事を終えた後、二人は自然と共に与えられた部屋に向かった。

縁側でただ話すだけ。


『〜〜って言ってて』

「はは、ンだそれェ」


その光景を見た庭の掃き掃除をしていた家主は、微笑ましく思う。

鬼殺という、日の当たらない場所で、いつ死ぬか分からない場所で戦う二人。

今のようなお互いが一番安心できる表情を見せ合う二人も、

夜になってしまえば、否、

鬼を見つけてしまえば、そういう顔になる。


『ねぇ何してんの』


そう言って笑うA。

実弥も笑っていた。

Aの方はここを使うのは初めてだが、実弥は何度か使ったことがある。

だから家主は知っている。

とても誰かを思う優しい表情を向けているのだと。


「鬼が、居なくなる世界が、来るといいですね」


家主はそう思った。


Aは雨が降りそうな空を見上げた。

灰色の分厚い雲が、空を覆ってる。


『雨が降るなぁ』

「その前に寝るかねェ」

『え、添い寝は?』

「するわけないだろォがァ」


ドス声を聞かせる実弥が立ち上がるのを見上げたAも立ち上がる。

すぐ部屋に戻ると、Aは周りに誰も居ないのを見て、実弥の唇に口付けをした。


「何してんだァ」

『今日を死ぬ気で生きるから』

「……そうかよ」


実弥は驚きはしたが、怒りや嫌悪感を感じない。

その事実に実弥は鼻で笑うと、今度は自身からAに口付けをした。


「好きだぜ、A」

『あらやだ、告白?』

「いや、それは必ず鬼を殲滅してから言う。
だから、死ぬなよ」


実弥の言葉に、Aは笑顔で頷いた。

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時

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