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50話 ページ50

Aは向かおうとして、別の鬼に遭遇した。


「へへっ、あの方々の邪魔なんてさせるかよ」

『……めんどくさいな』


Aが一体切っても、また一体と次々と湧いてくる。


『どっからこの鬼が……』


Aは首を鳴らしてあっちこっちを見た。

すると、鬼が入れるように血を流して置かれてる人がいる。


『確かに、こうしていれば、鬼は無限に湧くわ』


そこには肉片が置かれていた。

鬼の集まり方からして、稀血。


『まさかだけど、これ、やるしかないよね……』


そう言って次々でてきた鬼たちをAは狩っていった。

そうしている内にも、他の仲間たちも鬼と戦っていた。

鬼を倒しながら、Aは肉片を片付けて。


「こ、ころされ、」

『おやすみ』


Aは鬼を倒すと、振り返った。


『そろそろ向かうよ』


Aはひとっ飛びでここから離れる。

建物を越えていくと、そこにはボロボロになった建物だった。


『お待たせ、随分待たせちゃったね』

「遅せぇよ」


宇髄の刀で壊れた壁からAは横に立った。


『ちょっと鬼を狩ってたのよ』

「まだ居たのか」

『連中は多分今日のために用意されてた。
でも安心して、ここの他の鬼は全部狩ったから。後は、コイツらだけだよ』

「お前、あの数の鬼を切ってきたのか。にも関わらずここにいる」


目の前には二体で一体の鬼、男の方を妓夫太郎、女の方を堕姫。


「お前、柱だな?」

「あいつも狩ろうよお兄ちゃん」

「ああ、絶対に狩ってやろうなぁ」

『私、柱じゃないんだけどなぁ』


Aは刀を抜きはせず、刀をいつでも抜けるように柄に手を当てていた。


『禰豆子ちゃんは?』

「何とか寝かせた」

『了解』


Aは動き出したかと思えば、一瞬で背中に居た堕姫の頸を切り落とした。


「無理だぜ、そいつらは」

「ま、また、また頸を切られたわあ!!!!」

「お前、今何をした」

『え、なんかキモい』


妓夫太郎は振り返りAを見て驚いた。


「お前、いつ刀を抜いた」

『いつだろうねぇ…』


Aは笑った。

妓夫太郎が驚いた理由。それは、刀を抜く音も仕舞う音も聴こえなかった。

挙句の果てに、刀は見えなかった。

今まで会った鬼殺隊で、最も速い一撃を与えられたと妓夫太郎はAを警戒した。


「お前は、必ず殺す」

『私たちはあんたを必ず殺すよ』


Aは妓夫太郎と堕姫を睨む。

これは、カナエや煉獄を殺した、上弦への仇の第一歩なのだから。

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時

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