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3話 ページ3

「ここです」


青年が止まったところで、Aは建物を見た。

とても大きな家で、人里から離れた場所にある藤の紋の家。

藤のお香を焚いても中に入るということは、それなりに強いのだろう。

Aがそう分析すると、雷生を飛ばした。


『行って!』


鳴き声を上げながら雷生が飛び立つと、Aは中に入っていった。


『良い、貴方はここから離れてください』

「けど、あなた、一人で」

『……大丈夫、それが仕事だから』


Aはそれだけ言うと、屋敷の中に入った。

途端に、悲鳴が聞こえた。


『居る』


Aは悲鳴が聞こえた方向に走り出す。

屋敷の中はとても広く、Aはいくつも曲がり角を曲がり気づく。


『これ、鬼の血鬼術か』

「た、助けて!」


Aが上を向いた途端、壁に吊るされた女性が居た。

Aは彼女の手を取る。


『掴んで』


その彼女の手を引っ張ると、すっぽりと抜けたかと思えば、彼女が居た穴は塞がった。

かと思えば、地鳴りがする。


『へぇ……』

「あ、あの」

『……取り敢えず、私から離れないでくださいね。
血鬼術でどこが出口なのかも検討つきませんから』

「分かりました!」


二人は先に進む。

女性に途中で尋ねた。


『他に人は?』

「い、居ません。私と、兄だけです」

『なるほど』


Aは嬉しそうな返答を聞いた直後、鬼の気配を感じた。

そこで彼女を庇いながら辺りを警戒する。


「ミツケタ、柱ノ者」

「柱!?」

『悪いけど、生憎と柱じゃないのよね』


Aはそう言うと鬼の気配を捉えて、刀の柄に手を当てた。


「ッギャァァァァァ!!!!
クビガッ、クビガッ!!!」


女性は驚く。

さっきまで姿が見えない鬼が頸を切った瞬間現れたかと思えば、目の前に居たAが鬼を挟んだ向こうに居るのだから。


『鬼は一体だけじゃ無いらしいわね』


かと思えば、Aはすぐ目の前に戻ってきた。


「きゃぁ!」

『おっと』


驚いて腰が抜けそうになると、Aが手を伸ばして支えてくれた。

Aは笑う。


『驚いた?』


女性は思う。

とてもじゃないが、鬼殺隊に居るのが不思議な人だと。

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時

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