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4話 ページ4

Aは先程の部屋を出て、いくつか部屋を見回る。


『んー、窓、無いかなぁ』

「窓?」

『そう、窓』


女性は辺りを見て探しながら疑問に思う。

どうして窓を探すのかと。


「どうして窓を探すの?」

『んー?外の新鮮な空気を吸いたいから』


Aがそう言うと、女性は少し黙り込んで探した。

その空白をAは見逃さなかった。


「多分、ここには無いんじゃないかしら……」

『あら、そうかな?』

「え?」

『風の音を聞く限り、窓は、多分……』


Aは手探りで壁を探した。

そこで女性は気づく。


「あなた、もしかして、」


Aは窓に手をかけた。


『あったあった』

「っ、やめて」

『もし窓があれば、ここから逃げることもできるし、』


Aが窓を開けて振り返ると、

眩しい日の光を浴びないように着物を頭から被る女性が居た。


『あなたを、日に炙ることもできるじゃない?』


そこには怖い顔をした女性が見えて、Aは笑う。


『やっぱり』

「いつから気がついていたの」

『ん?最初から気がついていたよ』


Aは腕を組んで彼女に言う。


『あの時、手を握った瞬間から、』


そう言って笑うAの余裕そうな笑みに、女の鬼は腹が立った。


『あなたは人間じゃないってことに』


Aは一度組んだ腕を離して、後ろ手に窓を閉める。

彼女の行動に女の鬼は驚く。


「一体、何を考えてるの、あなた」

『んー?別に、太陽が無くても私はあんたに勝てるから』

「余裕ね、あなた。
私は鬼狩りを何人も食べてきた、あなたもその一人になるのよ」

『それはどうかしらね』


左手を柄に置いて鬼を見つめる。

お互い睨み合う中、先手を打ったのは鬼だった。


「死んで!!」


そう言って相手の髪がこちらに伸びてくる。

だがAは動揺すること無く笑うと、一瞬で捌いた。


『へぇ、あんた、血鬼術は地面だけじゃなくて、髪も持ってるのね』

「っ!そこまで気づいてっ!」

『気づかないわけないでしょ?』


鬼は驚いた。

Aが背後から耳元で話しかけて来たから。

だからと言って距離を置こうとすると、今度は真正面に立っており。


「あ、あんた、何者よ!!」

『んー?普通の鬼狩りだよ』


Aは右手で柄を握る。

そこで鬼は退く。だが、Aの刀が頸に当たり、


『おやすみなさい』


Aが刀を鞘に仕舞った瞬間、女の鬼の頸が落ちた。

いつ刀が抜かれたのか見えず、刀身すら見えなかった。

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月19日 21時

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