44話 ページ44
A
空気が悪くなったかと思えば、宇髄が笑った。
「そっか〜〜家族か〜」
『え』
すると、実弥も伊黒くんも鼻で笑ってて。
えっ、私バカにされた!?
って思ったけど。
「良かったな不死川。
結婚する時には宇髄から許可得なきゃ出来ないぞ」
「壁は高ぇな」
「それは物理だな」
「気が早いだろぉがァおい」
なんの話しをしているんだろうか。
結婚。結婚。
え!結婚!?
『う、宇髄、どういうこと』
「ん?お前の大好きな人と結婚する時には、俺に頭下げろよって話」
『誰が誰と……』
「だから、濱と不死川が」
宇髄に言われて私は驚きのあまり固まった。
『あ、あと五年以上先だね!!』
「……」
「……」
「……」
えっ、なんか御三方にじーって見られたんですが。
何か問題発言しましたか。
「宇髄」
「何も言うな……」
「不死川」
「……俺見んなァ」
この三人は本当仲良いなぁって、いつも思う。
そう言って飲み物を飲む。
「まぁいいや、帰るか」
宇髄がそう言って立ち上がると、私も荷物を取って立ち上がる。
トレーの片付けを先にされた。ちくせう。
外に出ると、宇髄が伊黒くんに絡んだ。
「んじゃ、伊黒行こうぜ〜」
「ああ」
『えっ、』
「ごゆっくり〜」
伊黒くんは宇髄をあしらいながら帰っていって、実弥と二人残された。
私たちは笑うと歩き出す。
「強引的というかなんというか……」
『宇髄らしいけど』
学校の近くだから私たちは手を繋ぐことはしない。
けど、もう少し寄ったら触れ合える距離で帰路についた。
もう少し、こんな幸せな時間が続くことを願いながら。
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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月1日 23時