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43話 ページ43

Aside


翌日。

宇髄と近くのファーストフードに来てた。


『推しが尊いよ……』

「俺様何回もそれ聞いてんだよなぁ、今日だけでも二十八回は聞かされた」

『カウントしてんのウケる』


私はポテトを齧る。

ポテトは正義。


『この一年、濃かったわ〜』

「みたいだな」

『実弥に出会って、勝手に推してただけなのが、付き合うなんて思わなくて』

「そうか」

『そうなんです』


あれこれ私が思ってた中学の夢と違う。

どうせ宇髄も学校で友達を作って、私は一人になると思ってた。

けど、案外宇髄は私の話を嫌々ながらも聞いてくれて、

同じ番号でたまたま隣同士の席になった実弥に出会って、

女の子の友達も、男の子の友達もできて、

なんならその実弥と付き合って。


『はぁぁぁ、推しが尊いんだよなぁ……』

「落ち着けよ」

『テストが終わったばっかで頭が緩くなってんだよ、許せ宇髄』

「何言ってんだお前」


宇髄はそう言って食べ終えたバーガーのラップをナゲットのボックスに入れてた。

私は起き上がると、窓越しに伊黒くんと歩いてる実弥を見つけた。


『あ、実弥』

「マジ?」


宇髄も振り返ると、伊黒くんがこっちに気づいて、実弥も気づいた。

かと思えば二人して中に入ってきて。


「何してんだ二人とも」

『お疲れ会?的な?』

「ただお前の惚気話聞かされてただけだわ」

『うるさいな』


私が机の下で宇髄の足を蹴る。

対して痛くもないはずなのに痛がる宇髄。


「にしても、二人はよく一緒にいるな」


伊黒くんがそう言った。

そこで私は実弥に謝った。


『実弥、ごめん』

「あ?」

『……』


唐突に謝りだした私に、宇髄含む三人が困惑してた。

私は何とか声に出そうとする。


『あ、あの、別に浮気してるわけじゃないからね』

「あぁ、その事か。
別に宇髄とAがそうじゃねぇのは知ってっから気にすんな」

『……良かった』


実弥の言葉にホッとした。

浮気、疑われてなかった。もし疑われたらどうしようかと焦った。


『宇髄とは、幼なじみだから。
兄弟も居ない私は、宇髄しか居ない。今は実弥も居るけど。
私の家族は、宇髄しか居ないから』


私がそう言うと、宇髄も伊黒くんも実弥も、黙り込んでしまった。

空気悪くしちゃったなって思う。

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月1日 23時

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