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45話 ページ45

Aside


目を覚ますと見慣れた天井で。

あくびをしながら体を起こす。


『朝じゃん』


あと少しで一年生も終わる。

勉強も一段落して、それぞれが二年生の心構えになる頃。

準備を整えて玄関を出ると、桜が咲き始めてた。


『ああー、桜かぁ』


私は桜と青空を見ながら学校に向かう。


来年のクラスはどうなるかなぁって考えたり

仲のいい子達はいるかなぁって考えたり

また実弥と隣の席がいいなって考えたり


未来がこれほど楽しいって思えるなんて知らなかった。

そうやって思えるようになって、良かったなって思う。


『あともう少しで、冬が明けるなぁ』


私がそう呟くと、隣に誰かの気配を感じて。


『胡蝶さん……』

「白濱さん、おはよう」

『おはよ』


仲が良くなってから、こうして時間が合えば一緒に登校したりしてる。


『あと少しで、春になるね』

「あともう少しで花が咲いて、蝶が舞うんだね」

『……ふふっ、胡蝶さんは相変わらず蝶が好きだね』

「蝶だけじゃないわ、花も好きよ」


そう笑う胡蝶さんは本当に綺麗で。

女の子だけど虫も全部大丈夫系な彼女。

どういう環境で育ったらそんな物怖じしないタイプになるのか。

とても尋ねたいお話ではございますが。


『もう少しで暖かくなるね』

「そうね」


入学したかと思えば、もう進級の季節。

本当に、一年が過ぎるのは早い。


今まで時間が過ぎるのは嫌いだった。

けど、楽しい毎日は過ぎるのが早かった。

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作者名:やぁと | 作成日時:2021年10月1日 23時

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