わたしたちの休み時間

変わらないものなんてない ページ39

北斗視点


どう見ても顔色最悪なのに一向に休もうとしないこいつを
半ば無理やり保健室へ連れ出すことに成功してからものの一分。


廊下でしゃがみ込んで動けなくなってしまったことに慌てて背中を差し出したんだけど、

ぽかんとしてしまって全然おぶさってくれない。



なんだよ。
この背中の行き場はどうしたらいいと思ってんの？


恥ずかしくてしにそうなんだ。

早く乗ってくれよ。



けど、やっと乗ったと思ったらあったかいだのいいにおいだの…

より恥ずかしいことばっか言ってるし。




北「思ってたのより軽い。菓子パンばっか食ってるからだろ。」




軽口で誤魔化したのは

うるさく鳴ってる忙しない音。




お前のも、


俺のも…。







『ねぇほくと。』

北「なに？」






『すきだよ。』




普段あんなふざけて言ってくるくせにさ、


こんなんずるいよ。




明らかにいつもと違うその消えてしまいそうな声に、


いつもと同じように返せば

きっとそれは二度と聞けなくなるって



なんとなく直感した。





だいたい今までがおかしかった。

好きだと言われて、はいはいなんて返すこの関係がずっと続くなんてあり得なかった。


この子だから、長いこと変わらずにいられただけ。


俺はこの子の思いに甘えきってる。




人の想いにずっとなんて保証はないのに。

ましてや周りには俺よりも彼女を大事にできてるやつがいくらでもいて…



冷静になれば、こんなめんどくさい男じゃなくたっていいんだ。




好きだと伝える度胸もないくせに、

俺への感情を捨てないでと願うわがままで








北「…元気なとき聞かせろ。」




やっと自由になろうとしたこの子を縛りつけてしまった

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