【呪術廻戦】最強の義妹は塩にぎりがお好き〜呪術甲子園・起首雷同編〜 (ページ30)

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第二十四話姉貴ページ30

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武田さんが、顎を撫でながら在りし日の話をし始める。20年前って私たち生まれてすらいないんだけど、武田さんよく覚えてるなぁ。

「ある日四人が無断欠席をしてね、そう珍しいことでも無かったんだが。親御さんに連絡してみると前日から帰ってないと言うじゃないか。結構な騒ぎになったが、すぐに橋の下で倒れているのが見つかってね。大説教になったが本人たちは何も覚えていないの一点張りだったよ」

無断欠席が珍しいことじゃないって時点でちょっと時代を感じてしまう。

私たち1年4人組と新田さんでお互い顔を見合わせる。

新田さんは「ふーむ…」と腰に手を当てた。

「当たり…っスかね」

「八十八橋なら俺も行ったことあります」

「バンジーしに？？」

伏黒くんの横から虎杖くんが口を挟む。あーほら、そんな風に煽るからまた殴られちゃうんじゃん…。

私は若干腫れかけている虎杖くんの頭をそっと撫でた。これ以上馬鹿なことしたら完璧にたんこぶになるよ、これは。

「銀野、あんま甘やかすな。調子に乗る」

『手厳しいね』

ドンマイ、虎杖くん。私は虎杖くんの頭から手を離すと、『伏黒くんは中学時代から、お義兄ちゃん伝手に高専の雑用を頼まれてたからね』と肩を竦めた。

野薔薇ちゃんが片眉を上げて「何ソレ」と伏黒くんを見る。

「雑用？」

「呪いがたまりやすい場所の巡回だ。心霊スポットの八十八橋もその内の１つだった」

「そん時は何ともなかったんスか？」

「特には。有名っちゃ有名ですけど、普通に使われてる橋ですし」

全体に微妙な空気が流れる。野薔薇ちゃんが「でも行ってみるしかないわよね」と呟いた。

「そっスね」

『今のところ可能性がありそうなのは八十八橋だけですし』

伏黒くんと虎杖くんもそれぞれ賛成してくれたので、全会一致で八十八橋に行くことが決定。

また来たときと同じようにゾロゾロと中学校を出ようとすると…。

「伏黒くん」

武田さんが後ろから伏黒くんを呼び止めた。

なんだなんだ、積もる話か？？なんてすっとぼけたことを考える。

武田さんはニコニコ笑顔のまま、まるで世間話の一環のように、言った。

「津美紀くんは、元気か？」

…息が止まる。

スッと視線を伏黒くんに流した。伏黒くんは一瞬足を止め、いつも通りの声で「はい」と答えた。

嘘つき。心の中で小さく呟いて、先を歩く虎杖くんたちのあとを追いかける。

「津美紀って誰だ？」

「姉貴」

「はあ！？アンタ、自分の話しなさすぎじゃない！？」

ほんっっと、その通りだよ、野薔薇ちゃん！！

私だって津美紀さんが呪われたことを知ったの、呪われてから半年近く経ってからだったんだから！

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