第二十三話 八十八橋 ページ29
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知り合いっぽい、というか確実に知り合いな感じの伏黒くんと用務員さんを見て、新田さんがグッと親指を立てた。
「この人はこの学校長いんスか」
「多分…武田さんは正規の方なんで」
「じゃ、後任せたっス!」
当然のごとく職務放棄したぞ、この人。
仕方がないので、伏黒くんが新田さんに代わって事件の詳細を話し始めた。
〜〜
「金田・島田・大和、それに森下か…。亡くなったことにも驚きだが、彼らが卒業してもう20年近く経つのか…」
用務員さん(武田さんというらしい)が、懐かしそうに目を細める。
「昨日のことのように覚えているよ。伏黒くん程ではないが、問題児だったからね。何が聞きたい?」
「変な噂、黒い噂、悪い大人との付き合い…あとバチ当たりな話とか、あれば」
やーい問題児〜と相変わらずの煽り顔で伏黒くんをつつこうとするコンビ。
ちゃっかり私も加わって伏黒くんを背後からツンツンしていると、3人揃って伏黒くんに殴られた。なぜ。しかも微妙に痛いんだけど…
「黒い噂…。問題児とはいえ、並みの中学生の域は出んよ。だが待てバチ当たり…」
「あれじゃないですか?八十八橋のバンジー」
「まだ居たのかA・B」
顎に手を当てて記憶を探っていた武田さんの横から、不良中学生A・Bが顔を出した。
野薔薇ちゃん、いくらなんでもその扱いはA・Bが可哀想になってくるよ…A・Bって名前すら既に可哀想なのに…。
『バンジー?ってバンジージャンプ?』
「はい、紐で括って飛ぶやつっス」
「八十八橋って?」
「自_殺の名所。この辺で有名な心霊スポットだ」
「おおっ、そうだ。昔、不良少年の間で深夜に八十八橋でバンジージャンプをするのが流行ったんだ。いわゆる度胸試しだね」
「どこの部族よ」
「俺よりバカって意外といるよな!」
『つまり自_殺の名所でバンジージャンプするってこと?不謹慎過ぎない!?』
「紐どうすんだよ」
ついドン引きしてA・Bから距離をとってしまう。野薔薇ちゃんと伏黒くんも、各々蔑んだ目をA・Bに送っていた。
すまんA・B。私は命は惜しくない系TPOを守らないタイプの不良は生理的に受け付けないんだ。TPOを守る不良って面白いな。
私たちのあからさまな態度に傷ついたのか、A・Bは心外そうな顔をして「俺たちはやんないっスよ。親世代の先輩たちが話してんの聞いただけで」と反論してきた。
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