閑話休題 宝物 ページ31
五条悟said
*
きらびやかな夜景が広がる、英国の首都ロンドン。
人が集まる場所にこそ、より多くの呪霊が蔓延る。
僕はロンドンの夜景を見下ろしながら、上質な椅子に腰掛けてマカロンを齧っていた。
「やっぱ一仕事終えたあとの糖分は最高だね〜」
誰に聞かせるでもなく漏れた独り言と共に、カチッと時計の針が進み、ロンドンのシンボルとも言える時計塔が日付の移り変わりを告げた。
ふんふんと上機嫌に鼻歌を歌いながら、上着のポケットからスマホを取り出す。
メッセージアプリを開けば、義妹かつ可愛い教え子の1人であるAから2件のメッセージが届いていた。
「…なになに、楽しそーじゃん。良いなー」
送られてきていたのは、『初めて皆で任務に行きます!』という短いメッセージと、補助監督の車の中で自撮りしたであろう教え子たちの写真。
満面の笑みでピースするAと悠仁、いつも通り仏頂面の恵、中指を突き立ててきている野薔薇。
野薔薇の表情的に、たぶん僕に送るつもりで撮ったんだろーな。ほんっと可愛いことしてくれちゃって。
ついフッと笑みが溢れる。写真をしっかり保存して、気が向いたからスマホの写真フォルダを開いた。
悠仁とのツーショット、恵の食事シーン、野薔薇と真希のオフの日の私服姿。時々僕が食べたスイーツの写真を挟みながら、スクロールするたびに1年たちの写真が出てくる。
3人揃って任務帰りに眠りこけてる写真なんて凄いお気に入りで、しばらくホーム画面にしてたくらいだ。
スクロールしていくうちに、あるところで急に被写体が変わった。
つい目を細める。懐かしいなぁ、という呟きがこぼれた。
初タピオカにビックリする憂太、竹刀片手にこっちを睨みつける真希、パンダと棘のダブルピース。この年のお気に入りは真希にしごかれる憂太を見て笑い転げるパンダと棘の写真だ。確か真希の憂太に対する罵倒が秀逸で棘のドツボにハマっていた覚えがある。
僕は写真フォルダの宝物たちをしばらく眺めて、一通り見終わると立ち上がって伸びをした。
「なーんか、皆に会いたくなってきちゃったね」
可愛い新旧の教え子たちは今日も元気に呪霊退治に励んでいることだろう。
僕もさっさと終わらせて、予定より早めに帰国しちゃおうかな。
スマホをポケットに戻して、明日ヘの英気を養うためにマカロンをもう一つ口に入れた。
✳
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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五条「強くなってよ。僕に置いていかれないくらい」
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