第三十八話 目撃 ページ47
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バッと野薔薇ちゃんが振り返る。変態が「おやおや、今夜は両手に花ですか」とかフザけたことを言った。
「何で来た!?」
『何か伏黒くんに野薔薇ちゃん優先って言われたから!?』
「モグラはどうすんの?!」
『それは伏黒くんに任せる!』
「テキトーか!!」
野薔薇ちゃんの素晴らしいツッコミを受ける。てへ、と似合わなすぎるポーズで頭を小突いたとき…。
『っ!?』
「!!」
ズンッと重たい気配がした。野薔薇ちゃんと私、ついでに変態さんとの間に緊張が走る。
…この気配、虎杖くんの呪力に似てる…でもそれよりもっと禍々しい。
そういえば虎杖くんの呪力って、宿儺の指を取り込んで与えられたものだって言ってた気がする。
ん?…となると、この気配って…。
『宿儺の指…!?』
「でしょーね」
野薔薇ちゃんが頷く。私はさっき自分が通ってきた穴があった場所を勢いよく振り返った。
そこにはもう、穴は無い。伏黒くんの安否を確認する術も無い。
伏黒くん、領域内に一人で置いてきちゃった!!死んでないよね!?!?
ドバっと冷や汗が出る。変態さんは地面を蹴ると、後ろ向きに跳び退いた。
「失言。私が話したことは忘れてください」
「待てや!!」
後ろ向きに跳んで進み続ける変態さんを野薔薇ちゃんが追いかける。
私も慌ててその後を追った。
「ナメた走り方しやがって。そんなんでちぎれると思ってんのかよ」
口端を持ち上げて野薔薇ちゃんが言う。チラッと野薔薇ちゃんにアイコンタクトをし、私は一気にスピードを上げた。
後ろから回り込んで挟み撃ちにする!!
グッと強く踏み込んだとき、変態さんがやけに低い声を出した。
「…私、背中がコンプレックスでして。警告です。私の背中を見たら殺しますよ」
『コンプレックス…??』
何だ??とか思いながら、それでも背後に回ろうとすると。
「あ、釘崎と銀野いたー!」
「あ、兄者いたー!」
唐突に現れた穴から、キモい呪霊と虎杖くんが飛び出してきた。
『うぇっぷ!?』
寸前で呪霊と正面衝突しそうになった私は、慌てて急ブレーキをかける。
『あっぶな…!…あ』
目の前に見えたのは…背中に現れた、気色悪い顔。ゴポポッと何かを吐き出している。
「みっ、みっ、みっ、見たなぁああ!!?」
変態さんが顔を真っ赤にさせて肩を震わせた。
変態さんの背中のコンプレックスってコレのこと!?だとしたらたしかにコンプレックスになるわ、このキモさは!これは酷い!((
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五条「強くなってよ。僕に置いていかれないくらい」
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