Episode33 売り子 ページ35
Aside
今日は最高気温31℃の真夏日。
もう9月に入ったのに、まだ全然夏だ。
それに加えてコスプレさせられ、さらに暑い…
でも、気温が高いおかげでアイスは飛ぶように売れていく。
今日売り切る予定のアイスは、まだ午前も終わっていないのに、もう4ぶんの3以上が売れてしまった。
ふと教室の奥を見ると、天月が本校や他校の女子高生に囲まれながら、アイスを売っているのが見えた。
私の隣では、舞心がナンパをうまくかわしながら、アイスを売っている。
客1「あ、お姉さん!!ストロベリーアイス3つね」
『あ、ありがとうございます。3つで900円になります』
私と同じか、1つ上くらいの男子3人に声を掛けられた。
客2「ねぇ、お姉さーん!!この後、俺らと回らないー??」
客3「何でも奢るからさー??いいだろ??」
『あ、えっと…そういうのは…』
こういう声を掛けられたことがあまりなくて、かわし方がわからない。
舞心に助けを求めようと思ったけど、舞心も絡まれてて、こちらには気付いてない。
天月も手一杯のようで、助けを求められない。
どうしよう…怖い
客1「ちょっとだけでいいから、ね??」
そう言い寄られ、肩を触られる。
『っ!!…さ、触らないで…』
どうしたらいいのかわからず、対応に困っていると、いきなり後ろ側から誰かに手首を掴まれて、強く引っ張られる。
『わぁっ!!』
その力に抗えず、そのまま誰かの胸に受け止められる。
??「俺のAに手出さんといてくれん??嫌がってるやん」
あ、この声…
『…こうくん…??』
客2「誰だお前??邪魔すんなよ」
る「何??これ以上関わらんでくれん??」
いつもよりずっと低い声。
私を抱きしめる腕に力が入る。
客3「…もういいよ。行こうぜ」
そう言って遠ざかる3つの足音を聴いて安心してしまったのか、身体の力が抜けて座り込んでしまった。
でも、まだ震えが止まらない。
る「A??大丈夫??怖い思いさせてごめんね」
luzくんは、私を安心させるように背中をさすってくれた。
luzくんは何も悪くないし、むしろ助けてくれたのに、そう言って謝ってきた。
『こうくん…助けてくれて…本当にありがとう…』
る「うん」
そう言うと、優しく微笑み返してくれた。
それを見たら、我慢していたものが溢れだした。
『うっ…こ、怖かったよぉ…うぅ…』
止まらなくなって、しばらくluzくんの胸の中で泣いた。
その間、luzくんはずっと側にいて私の背中をさすってくれた。
***
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Yuki@萌え探求者 - すごく分かり安くて面白いです!文章一つ一つが神ってます……!私も小説何個か書いてるんですが、国語力が少なくて毎回拙いものに………作者様マジ尊敬します! これからも頑張ってください! (2018年8月9日 23時) (レス) id: 48f465f22a (このIDを非表示/違反報告)
亜麻都(プロフ) - ホルン吹きの変人@サブさん» コメントありがとうございます!!そう言って頂けると嬉しいです^^そらるさんに姉貴呼びされたい…←w これからまた頑張って更新していきますので、これからもどうかよろしくお願いします!!本当にありがとうございます!! (2018年3月26日 22時) (レス) id: ac3d13a86f (このIDを非表示/違反報告)
ホルン吹きの変人@サブ(プロフ) - すごい面白いです…!個人的に姉設定好きなので、とても楽しく読ませて頂いてます!文才も神ですね。これからも頑張ってください! (2018年3月26日 9時) (レス) id: e1f495dfc8 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻都(プロフ) - 恋花-renka-さん» いつも楽しく読ませて頂いてます!!そーなんですね!!長女から見ると妹っていいですもんねw姉設定にしたので、先輩後輩で口調迷子になりやすいです…笑^^; (2017年8月2日 15時) (レス) id: 4c7f3da984 (このIDを非表示/違反報告)
恋花-renka-(プロフ) - 亜麻都さん» わあぁ…!ありがとうございます!私も長女なんですけどねw妹設定書きたくてw (2017年8月2日 15時) (レス) id: a7985c3076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜麻都 | 作者ホームページ:http://twitter.com/amato10_01otama
作成日時:2017年7月31日 2時