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神威side
ジリリリリ
ジリリリリ
神威「うっさいな…」
ベッドの枕元に置いてあるであろう目覚まし時計を手で叩く。
壁にめり込んだ音がするけどまぁいいや。
Aが起こしに来てくれるもんね。
?「ハァ…団長ー!オーイ起きろー」
Aとは違うおっさんの声がする。
神威「んん…誰だよ……」
寝ぼけながらその人物を叩く。
?「いってぇよ団長」
神威「だれ?」
?「俺だよ、俺。阿伏兎だ」
神威「阿伏兎?何で?Aは?」
阿伏兎「アイツは第五師団行ったろ。忘れたのか?」
神威「なんだよそれ。そんな訳ないじゃん」
布団の中で反論する。
阿伏兎「言っただろうが」
神威「は?聞いてないけど。嘘言ったら殺すよ」
真面目に。
阿伏兎「とにかく起きやがれ!Aはいねぇぞ」
Aがいない朝なんてさ、起きる価値ないじゃんか。
あーあ、めんどくさいな。
毎日めんどくさいけど。
だるだると布団を寄せて起き上がる。
神威「はーぁ」
顔をドアの方に向けると、阿伏兎が突っ立っていた。
苦笑いしながら左腕を抑えている。
俺が腕叩いたのか。
Aがいない……
阿伏兎「オラ、団長。今日は書類片せよ」
神威「何その態度。阿伏兎やっといて。俺は二度寝するから」
阿伏兎「このすっとこどっこい。団長の仕事だ」
阿伏兎の声をBGMに布団に潜り込む。
あ、そうだ。
神威「ねぇ阿伏兎」
阿伏兎「あ?」
布団をよせて、部屋から出ようとしている阿伏兎を呼び止める。
神威「交換条件なんだけどさ、」
阿伏兎「なんだ?」
.
神威「A連れ戻してくれたら俺、書類片すよ」
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作者名:うゆに塩湖 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2021年1月16日 14時