第九章〜女の子〜 ページ30
チビ百合『貴女は誰?』
泣くのを止めて立ち上がった百合は近づいてきた足音の主に問う。
すると、女の子はこう言った。
?『私?私の名前は、ヒューよ』
その時少女が名前を名乗ろうとしたら運悪く風の音と被ってしまった。
チビ百合『ごめん。上手く聞こえなかった。もう一?『貴女…泣いていたの?』回…』
百合がもう一度聞きなおそうとしたら言い終わるよりも早く少女が聞いてきた。
チビ百合『え?』
?の問いに百合はうろたえる。
なぜ、分かったのか?
本当の事だが、同い年位の女の子に泣いているなんてとこをみられたら恥ずかしい。
そう思い嘘をつく。
チビ百合『そんな訳ない。第一証拠がないじゃないか』
百合が反論した後、?は百合が座っていた場所に視線を向けていたのをまた、元に戻した。
そして、百合の目を見て口を開いた。
?『嘘。だって、貴女の座っていた前だけしっとりと濡れている感じがあったんだもん。だから絶対泣いてないってのは嘘。それに、貴女の目の周りが少し赤く腫れているから。たぶん。まだ、泣いてそれほど時間はたって無いって事ね。これでどう?』
少女はきっぱりと言った。
はぁ。
すごい。
さすがだ。
もういい認めちゃえ。
チビ百合『あぁ、そうだよ。私は泣いていたの。泣いていたらなんか悪い?』
百合は開き直った。
そんな百合の様子を見て?は言った。
?『でも、なんで泣いていたの?』
チビ百合『其れは…』
?の問いに百合は言葉を詰まらせる。
そんな百合の様子を見て?は言った。
?『何か、訳ありなようね。分かった。言いたくないのならそれ以上言わなくてもいいから』
百合が言葉を詰まらせたのと、百合の暗くなった面持ちから?は察した。
?はそれじゃあと
?『貴女が落ち着くまで一緒にお喋りでもしましょうか』
声をかけた。
百合は首を縦に振った。
?『!』
その時、?は百合の目頭がもっと赤くなっているのと唇が震えているのに気が付いた。
【次回君の名は?】
33人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:如月輝夜 | 作成日時:2016年9月16日 21時