あの人は変わった【過去編・番外編３】 ページ33
百合「よせ。お前が言っても何も解決はしない」
女の子の元へ辿り着いた百合はその子の肩を掴んで止めた。
椿「は？誰だよあんた。なんで他人のあんたにそんな事言われなくちゃいけないの？」
百合に気付いた椿は、他人に止められた事に怒っているようだ。
当然だ。
赤の他人にそんな事を言われたら怒るのも無理はない。これもわかっていた事。
百合「そうだな、確かに他人の我が首を突っ込む事じゃないが…」
言いさして、言葉を止めた。
椿「だったらなんで」
反論した椿に百合は答える。
百合「そうだな。騒ぎを起こす奴は好かんからかな」
ここは、誰もが行き交う京の都。
そんな場所で騒ぎを起こしたらどうなるか。
椿「は？」
予想もしていなかった答えに、椿は面を食らう。
椿「それ、どういう意味だ」
その答えの意味を問う。
百合「どういう意味って…そのままの意味さ。大丈夫。我にまかせておけ」
ニカッ_______と、白い歯が口の中から見え光った。
椿「なんで…なんで！そこまでしてくれるんだよ」
何でって…
百合「だから、さっきも言っただろ？騒ぎを起こす奴は好かんって」
そう、騒ぎを起こす奴も嫌い。
物を盗む奴も嫌い。
人を殺す奴も嫌い…
百合「じゃあ、お前の姉さん助けてくるわ！」
ヒラヒラと後ろに手を振りながら男と、女の後を追いかけた。
椿「なんなの？あいつ…変な奴」
椿はそう吐くと、とうざかってゆく背を見つめた。
百合「おい、お前。ちょっと止まれ」
走ってきた百合は男の前に回り込む。
武士1「貴様、何用だ」
何用って。
あの子の為に。
百合「貴女を取り戻しに来たんですよ」
【次回あの人は変わった過去編・番外編４】
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作者名：如月輝夜 | 作成日時：2016年9月16日 21時
