帝の門と吸血鬼 第二章

八十五帝 ページ36

主「……来たね」

気配を感じ、視界を開く
既に名古屋市役所に私は戻ってる
人間の気配が、15だけ近くにいる

ク「ん？どうしたA」

主「悪いけどクローリー、君らは殺さない
でも、外にいる雑魚は殺していいね」

ク「……人質を救うんだね」

その言葉に応えることはなく
ただ笑って、彼の首筋にキスをして
とんっと厚い胸板を叩いた

そして、「いつか戻るよ」と言った
いつかが永遠にならないことを願う
ここには、セロだっているんだもん
あの二人に任せっきりになってるけど

主「みんな、私の仲間だもん」

ク「仲間ねぇ……、行っといで」

彼の言葉と同時に窓から飛び降りる
私が落ちて行く所を彼は見ている
確か、初めて会った時もこうだった
落ちて行くのをあの時も見られていた
あー、懐かしいなぁホント











主「は〜い、人質救出作戦に参加するよ
みんな注目して〜」

近くのビルから気配がしたから来た
やっぱり、全員ここにいる
私の声に反応するように皆振り向く
驚く者、喜ぶ者、飛びつこうとする者
飛びついて来た典人はぶん殴った

グ「随分と遅い登場じゃねぇか…」

主「ヒーローは遅れてやって来るじゃないか」

手を銃の形にして構えてみる
小百合は抱きついて、泣きじゃくる
あぁねぇ、心配されたんだ私でも

小「A様っ…、ご無事でっ…！」

そんな小百合をあやす
何だかこれ、昔の光景みたいだね
彼女は人を心配すると泣いていた
それをあやす、いつもの光景だった

主「それで何よ、人質を救出するって？
やってやろうじゃんか」

私はにやりと笑うと双剣を召喚する
【蒼月丸】だ、今は炎欄朱は使い物に
ならなくなってしまったから
ホーンのこと、大好きだもんね〜

主「私が最初に行こう、雑魚を殺すよ
私に楯突いたことを後悔させてやる」

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