能面執事２【紫】 (ページ28)

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78. 義父さんと義父さんページ28

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「私が日本に帰るまで、お待たせしてしまい申し訳ございません。

崇裕は、

…A様のお眼鏡にかなう男になれましたでしょうか？」

不安そうに伺う。

答えは…、

「はい。もちろんです。

完全に…、落とされました。」

濱田……いや崇裕の顔を見て言うと、

彼は笑いながら泣いて、そのまま立ち上がると

腕をひいて、後頭部を抑えてキスをした。

フゥーなんてはやし立てる声が聞こえないくらい、

力強く抱きしめてくれた。

「A、愛してんで」

「…私も」

拍手で最高の結婚式は終わった。

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「お父さん、本当にありがとう。」

「旦那様、ほんまにありがとうございます。」

2人で頭を下げると、お父さんは微笑んだ。

「けど…ほんまにええんですか？

や、…一応俺は従者やし、主人と結婚なんて……」

「はは、古臭い考え方だね。

もし、そういう風に私が考えていたとしたら、

君をAの執事にしたりはしないよ。

10年間も、私がいない時はAを守ってくれてありがとう。

君はAのいい所も悪い所も知っていて、それでいて

Aの事が好きならば、それ以上のことは無いのだよ。」

「旦那様…」

「…義理の父になるんだから、その呼び方はやめるようにな。」

「……はい！かしこまりました！」

崇裕は、お父さんが見えなくなるまでずっと頭を下げていた。