77. ちょっと待って？ ページ27
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未だに理解出来ずに固まる私たちをよそに、
拍手に包まれるチャペル内。
「ちょ、ちょっと待って？
私、濱田と結婚するの？」
「あぁ、そうだ。」
答えたのはお父さん。
「えっ、本当に？」
「言っただろう、
『本当に好きなやつと結婚出来てよかった』って。」
「…じゃあ、あの『海外に住んでる』って？
濱田はずっと日本にいたじゃない。」
「あれは、私の事かな？」
隣にいたちょっと細身の男性が立つ。
「…おとん！いつから？！」
「崇裕、緊張しすぎて、参列者全然見てへんかったやろ？」
「どうりで、A様の結婚式にいるはずの、
神山がオルガンひいてるわ、小瀧や重岡の声が聞こえると思ったら…」
頭を抱えた濱田をみんなで笑って、
濱田のお父さんがこちらを向く。
「初めまして、A様。
いつも愚息が大変お世話になっております。」
「あ、いえ…」
「実は私とA様のお父上は、古くからの友人でして。
昨日までは日本におりませんでしたが、
以前、子供同士を結婚させようという話をしていたのですよ。
親の勝手な口約束で決めてしまい、申し訳ございません。
…ですが、崇裕は、一目お会いした時から惚れていたようですね」
「え！知ってたん！？」
「はは、分かるわ。
何年父親やってると思ってんねん。
A様の気がなんとか崇裕に向くよう、
上手いこと淳太様や流星様にも仕向けていただいたりして。」
目線をそらせば、ピースするお兄ちゃんと流星。
思い当たる節があるような……
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作者名：ちい
| 作成日時：2017年10月9日 0時
