第22話 やっぱり ページ22
夏油傑
初めて聞いた名前の筈なのに
私は随分前から彼を知っている気がする
けれど、会って間もない人の前でこんなに
泣いてしまって相手も困るだろうそう思った私は
涙を拭い、笑顔を作りながら彼に言った
『そ、そういえば、前言っていた
探している子は見つかりました？』
なんて私が質問すれば
彼は薄く笑いながら目を伏せた
「まだ、かな。けれど、もう少しだと思うよ」
『…もう少し？』
勘、って事だろうか？
けれど、彼は紛れもないヤクザ、人1人探す事
くらい容易いだろう
仮にも悟は私が父の娘だと言うことを
突き止めていたし、もちろん実家まで分かっていた
探そうと思えば探せるはずなのに、何故この人は
しないんだろう
そう思い、私は彼にそっくりそのまま聞けば
彼は言った
「会っているよ既にね。けれど、私の知る
彼女まで今暫く時間がかかるという意味なんだ」
『それってつまり、』
どういうこと？と彼に聞き返そうとしたその時
「失礼します！夏油さんお茶が入りましたよ！」
『あ』
「あれ？Aさんじゃないですか！」
部屋へ入ってきたのはいつぞや五条組に
来ていた灰原くん
そう言えば確か悟が兄弟分の部下だって言ってたな。
久しぶりー！と、灰原くんとハイタッチをした
「また会えるなんて嬉しいです！
やっと夏油さんに会えたんですね！」
『あ、え？』
確かに私はあの悟が親友だと思っているこの人に
いつか会ってみたいとは思っていた。まぁまさかこの人だとは思わなかったけれど、私が灰原くんに
その事を話した覚えはない
そう思っていれば灰原くんはしまったと
口を手にやり狼狽えている
しかしその時
「灰原」
先程私と話す時と打って代わり低い声
その声の主は紛れもなく夏油傑、彼で、
ギロリと鋭い目付きで灰原くんを睨んだ
「は、はい！」
「何故、彼女と面識が？」
「……い、以前五条さんに届けるよう頼まれた
書類を持っていった時に彼女とばったり…」
どんどん声が消え入るように小さくなり
身を縮こませ申し訳ありませんでした、なんて
頭を下げる灰原くん
そして、怖い顔で笑顔を絶やさず彼は言った
「大方悟に口止めでもされたね。
けれど、私に黙っていたのは事実
私に殴られるか、腹を切るかどちらか選びな 」
やっぱり怖い人だった
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ぱむむ - 私もとても面白いと思います笑 内容も斬新で記憶喪失&ヤクザパロとか好きすぎます笑 応援してます！ (2021年7月29日 18時) (
レス) id: ac3050bbcb (このIDを非表示/違反報告)
xoxo(プロフ) - 白牙さん» ありがとうございます！今後ともよろしくお願いします (2021年7月20日 12時) (レス) id: de4eceb30b (このIDを非表示/違反報告)
白牙(プロフ) - コメント失礼します！とても面白い作品で、何度も読み返してました！！更新頑張ってください！応援してます！！ (2021年7月17日 5時) (レス) id: a1abb373c7 (このIDを非表示/違反報告)
xoxo(プロフ) - あこさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいです！ (2021年7月8日 21時) (レス) id: 87cf4b3ec1 (このIDを非表示/違反報告)
あこ(プロフ) - 初コメ失礼します！この作品にどハマりしました！これからも更新頑張ってください！！！ (2021年7月7日 7時) (レス) id: 4686a1bd88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：xoxo | 作成日時：2021年7月6日 22時
