１６１滴 ページ19
“無事にできたら今日は久しぶりに二人で出掛けようか？”
採血の時に杏寿郎が耳打ちした言葉にAは期待を膨らませた。
こうやって人間のように過ごせる時間をいっぱい増やしたいと思っているAだが、未だに人間同様に過ごすのは難しい。
街につき、少し歩いた今も______。
杏寿郎「A、大丈夫か……？」
『…今日……暑いね…
でも平気………！』
日傘を差していても照りつける太陽光。
それに加え、血も抜かれているAは正直しんどい。
あれから別室で休んでいる間にも血なんて飲まなくても大丈夫！ っと杏寿郎がいくら飲めと言っても飲まずに過ごし、そのまま街へとやってきた。
…まさか…………こんなに暑いなんて………
体力が消耗されていく…………
今朝は牛肉食べてたからなんの問題もないと思ったけど…
血、抜かれたのもあって消耗が激しい………
……でも…大丈夫だもん…
このまま街で杏寿郎と楽しくお出掛けして……
アレを……アレを遂行する！
それで帰ったら、たらふく牛肉をこっそり食べるっ！！！
よしっ…これで何の問題も無い！
と、意気込んでいるが顔色はとても悪い。
杏寿郎「どこか店にまず入ろう！
腹が減ってしまった！！
すまないが付き合ってくれ！」
意地でも平気だと言うAに、杏寿郎はせめて日差しが当たらないようにと店へ誘うとAは急に手を繋いだ。
杏寿郎「……？ 手…」
『…こっ、恋人ってね！
一緒に出掛ける時に手を繋ぐ事もあるって蜜璃ちゃんが言ってて………
私、杏寿郎と手、繋いで歩いてみたくて………
今日…頑張ったの…
もし………嫌だったら…は、離しても…大丈夫…』
杏寿郎「そっそうか！！
うむ…！ 嫌な訳ないだろう！
ほら、おいで」
思いがけないAの行動と歩み寄る気持ちにまたも胸がきゅうぅっと締め付けられた。
いつ誰が見ているか分からない街中、隊士に見られる可能性もあるし、今まで手を繋いで歩く事はしてこなかった。
手を繋いだままにすると頬を染め嬉しそうなA。
あぁ、もっと早くこうしてやれば良かった、とAを見てそう思い歩く。
どんっ___
『わっ…………、
ご、ごめんなさいっ』
「…………いえ……
え……………？ 」
よろけたAが通りすがりの者とぶつかり、謝ると相手の青年がAの顔を見ると驚いた顔をしている。
そして“生きてたのか”と呟いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 270人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜丸 - 更新待ってます！ (2023年3月15日 23時) (
レス) @page23 id: cae0d8d8c8 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - 青白の狼さん» わー🤣💦たまに広告のタイミング！！ってなる時がありますよね…😇 (2022年8月14日 21時) (レス) id: e14c782aeb (このIDを非表示/違反報告)
青白の狼(プロフ) - 153滴を読んでいたら、精力剤の広告がニンニクの画像付きで・・・なんちゅータイミングや。(^_^;) (2022年8月13日 20時) (レス) id: 28fcd9b504 (このIDを非表示/違反報告)
杏(プロフ) - まゆさん» いつもありがとうございますー!!凄く励みになります🥹!!✨更新遅いですがこれからも良ければお付き合いお願いします☺️ (2022年8月11日 22時) (レス) id: e14c782aeb (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 更新待ってました〜〜！展開がおもしろいです😆これからも更新楽しみにしてます(*^▽^)/★*☆♪ (2022年8月10日 10時) (レス) @page3 id: d503357f65 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：杏 | 作成日時：2022年8月5日 14時
