僕たちの帰る場所2 (ページ47)

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ab side

(ああ、俺の総合一位は消えたな…)

開票結果を確認して、俺は諦めムード。
現物勝負では、チョコレート好きを公言している照に俺が勝てる可能性はほぼゼロに等しい。
だから、せめて投票では勝っておく必要があったんだ。

でも、投票でも照がトップとなると、99%の確率で今年は照の勝ちだろう…悔しいけれど。

fk「現物だよー。仕分けみんなにも協力してもらっていい？」
「「はーい」」

ふっかと照が段ボールをいくつも持って現れる。

宛先住所がZuhauseの郵便物はまとめられてしまうので、一つ一つ確認しなければ誰宛のものかわからない。だから仕分け作業が必要なんだ。

(これが舘さまでしょ、で、これが照…あ、これ美味そう)

「翔太のこれ、俺にも味見させてー」
nb「おっけー、食べる時声かける」

iw「俺舘さまのこれ気になる」
dt「いいよ、一緒に食べよっか」

高級ブランドチョコからちょっと変わったお洒落なチョコ、果ては駄菓子のチョコの大人買いパックみたいなものまで、段ボールの中身はごちゃ混ぜで、仕分けるのはなかなか骨のいる作業だ。

だから、その辛さを紛らわすためか、後で分け合って食べるのを見越してか、みんな気になるチョコレートをチェックしながら仕分けをしていく。

nb「ふっかのこの箱、見たことないけどどこのだろ」
sk「もしかして手作り？」

「いや、衛生面を考慮して手作りは一応お断りにしてるから、ないと思うけど…ねえふっか」

fk「え？あ、うん、ないと思う。後でどこのか確認してみるよ」

ふっかはそう言うと、その謎の箱を自分の脇によける。
俺はその仕草が妙に心に残ったんだけれど、その時はそれ以上追及はしなかった。

なぜなら、勝負が予想外の展開を見せたからだ。