151話:労いの宴会 ページ6
長いようで短い一日が終わり、私は今、炊事場で姉様とお酒を燗にしながら料理を作っている。
千鶴「これ、何本目?」
貴女「もう数えてないから分かんない」
姉様の口から漏れた呆れた言葉。
その言葉に、私は苦笑いで答える。
昼間、浅見様の所へ姉様と着物を求めに行き、その時にたくさんのお酒や材料を買い込んで来たから、今のところ尽きる事はないけれど…。
ちょっと、飲みすぎのような気がする…。
千鶴「珍しく土方さんも飲んでるし…。
さっき料理を持って行ったら、真っ赤な顔してたよ?」
貴女「土方さんのお酒は薄めてあるのに…。
あの人は本当に弱いんだね」
この料理が出来たら、私が持って行こう。
そして、土方さんの真っ赤な顔を見に行こう。
私はクスクスと笑いながら、料理を持って行くことが楽しみになってしまった。
沖田「Aちゃん。お酒が無くなったって、新八さんが煩いんだけど…」
貴女「え?!もうですか?!」
千鶴「は、早いですね…」
私はチラっと燗にしている鍋を見つめ、指をあてる。
どうやらいい感じに温まっているようだし、私はそれを手ぬぐいで拭きながら盆に上げていく。
貴女「私が持って行くよ」
千鶴「ん。お願い」
出来上がっていた小鉢も一緒に盆に乗せ、私は宴会が開かれている広間へと向かった。
その部屋に近づくにつれて、どんちゃん騒ぎが聞こえてくる。
私はその広間の襖を開け、中へ入った。
永倉「お!Aちゃん、悪いな」
貴女「いいえ。楽しそうで何よりです」
ここに戻ってきたら、皆さんを労いもてなすと言った事を実現させている。
そして先程姉様の言葉を思い出し、私は永倉さんの前に盆を置きながらチラっと土方さんを見やった。
うわ。本当に真っ赤な顔してる。
しかも絡み酒…。
土方「んだよ、平助。俺の酒が飲めねえっつうのか?」
藤堂「さっきから飲んでんじゃん!」
珍しく酔う事もできず、土方さんに肩を組まれている平助君。
その姿が何だか面白くて、私は思わず笑みが零れた。
もう少し、土方さんのお酒は薄めて持って来よう。
本当はこれ以上飲ませない方がいいんだろうけど、今それを促すのは得策ではないだろうし。
私はそう考えながら、盆に置いていた小鉢を膳に置いて部屋を出ようとした時だった。
風間「おいA。俺の酒に付き合え」
貴女「………は?」
風間「何だ。俺の酒は付き合えんと申すのか」
貴女「……土方さんみたいな事言わないでよ」
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まほろ(プロフ) - 馬燕さん» コメントありがとうございます!完全なるハッピーエンドを目指して走った思い出です(笑)今自分で読み返してみても誤字脱字が多すぎるので校正中なのですが、そんな中、読んで頂きありがとうございます♪ (7月12日 6時) (レス) id: 9803a15670 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 桜日和さん» 返信が遅くなり申し訳ありません(泣)私自身、原作のゲームをやり、アニメを見ていた時にまた一人、また一人といなくなっていく事が辛すぎてどうにかならないか?と考えた妄想の結果がこの物語です(笑)楽しんで読んで頂けたなら幸いです♪読んで頂きありがとうございます (7月12日 6時) (レス) id: 9803a15670 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 桜さん» 風化してしまうほど返信が遅くなってしまい申し訳ありません(泣)最高ですとの言葉、最高に嬉しいです!読んで頂きありがとうございます! (7月12日 6時) (レス) id: 9803a15670 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - ちーずまんさん» 2年前にコメントくださっていたのに返信出来ていなくて申し訳ありません(泣)薄桜鬼で一ちゃんが好きすぎて妄想が爆発して書きまくった結果が一主です(笑)原作で好きなカップリングが土千が好きなので盛り込んでみた…という裏話です(笑)読んで頂きありがとうございます (7月12日 6時) (レス) id: 9803a15670 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - りゅかさん» 2年前にコメントくださっていたのに返信出来ていなくて申し訳ありません(泣)初めて書いた物語だったので拙い文章で申し訳ない気持ちでアップしていましたが、楽しんで頂けて、しかも出会えた事に幸せだと言って頂けて私こそ幸せです!ありがとうございます! (7月12日 6時) (レス) id: 9803a15670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まほろ | 作成日時:2019年10月25日 0時