*最終話* ページ20
貴女「父様、母様…。見えていますか…?」
本家の庭に植えられた、一本の桜の木。
ここに桜の木を植えたのは、父様と母様が大好きな花が桜だったから。
それに私の中でも、桜は特別な花だったから…。
庭に降りて幹に触れた時だった。
斎藤「こんな所にいたのか」
貴女「……父様と母様に見て頂きたくて…」
綺麗な薄桃色の花びらたちが、風に乗ってヒラヒラと舞い散る。
縁側から庭へと斎藤さんが下りる足音が聞こえ、そちらを振り返れば、普段あまり見る事が出来ないような柔らかい笑顔でこちらに向かっていた。
私の隣で立ち止まり、そっと私の手を握ってくれる。
斎藤「きっと見てくださっているだろう」
貴女「……はい。
父様、母様。私は必ず幸せになります。どうか、見守っていてください」
すると、ブワっと風が吹き、桜の花びらたちが吹雪となって舞い散った。
まるで私の言葉に返事をするかのように…。
私は隣に佇む斎藤さんを見上げた。
穏やかな瞳が、私を映し出す。
きっとこれからの人生、平たんな道ばかりではないだろう。
それでも斎藤さんと一緒なら、私はどんな事も乗り越えられるような気がする。
貴女「これからも、よろしくお願いします」
斎藤「こちらこそ。よろしく頼む」
二人で微笑み合い、どちらからともなく目を閉じた。
優しくて暖かい、幸せな口付け。
これからの長い人生、私は斎藤さんと共に生きていきます。
そう心の中で言葉にすると、また桜の花びらたちがヒラヒラと舞い散ったのだった。
完
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まほろ(プロフ) - 馬燕さん» コメントありがとうございます!完全なるハッピーエンドを目指して走った思い出です(笑)今自分で読み返してみても誤字脱字が多すぎるので校正中なのですが、そんな中、読んで頂きありがとうございます♪ (7月12日 6時) (レス) id: 9803a15670 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 桜日和さん» 返信が遅くなり申し訳ありません(泣)私自身、原作のゲームをやり、アニメを見ていた時にまた一人、また一人といなくなっていく事が辛すぎてどうにかならないか?と考えた妄想の結果がこの物語です(笑)楽しんで読んで頂けたなら幸いです♪読んで頂きありがとうございます (7月12日 6時) (レス) id: 9803a15670 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 桜さん» 風化してしまうほど返信が遅くなってしまい申し訳ありません(泣)最高ですとの言葉、最高に嬉しいです!読んで頂きありがとうございます! (7月12日 6時) (レス) id: 9803a15670 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - ちーずまんさん» 2年前にコメントくださっていたのに返信出来ていなくて申し訳ありません(泣)薄桜鬼で一ちゃんが好きすぎて妄想が爆発して書きまくった結果が一主です(笑)原作で好きなカップリングが土千が好きなので盛り込んでみた…という裏話です(笑)読んで頂きありがとうございます (7月12日 6時) (レス) id: 9803a15670 (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - りゅかさん» 2年前にコメントくださっていたのに返信出来ていなくて申し訳ありません(泣)初めて書いた物語だったので拙い文章で申し訳ない気持ちでアップしていましたが、楽しんで頂けて、しかも出会えた事に幸せだと言って頂けて私こそ幸せです!ありがとうございます! (7月12日 6時) (レス) id: 9803a15670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まほろ | 作成日時:2019年10月25日 0時