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近藤「永倉君、原田君。
これは幕府直々の命令なんだぞ。
確かに戦況が芳しくない為、
今は慶喜公も恭順なさっているが…。
もし我々が甲府城を守り切れば幕府側に勝算ありとみて、
戦に本腰を入れてくださるかもしれん。
それに、勝てる勝てないの問題ではない。
御上が我々を、
甲府を守るに足る部隊だと認めてくれているんだぞ。
そうじゃないかね、永倉君」

永倉「……その言い方、やめてくれねえか。
俺は新選組幹部ではあるが、
あんたの家来になったつもりはねえんだからな」




やっぱり、場の雰囲気が良くない。

私が京へ来た時のような優しい口調はそのままだけど、
近藤さんの意識が物凄く変わってしまっているような気がする。

変に身分とか貰っちゃってるからかもしれない…。

いや、責務を全うしようと頑張ってるんだ。
そう考えよう。


小さい頃、父様に言われた言葉を思い出した。


【どんな立場に立とうとも、
言葉や態度を変えてはいけないよ。
それは不信感と反感を買ってしまうからね】


そしてもう一つ。
ちー君の言葉が出てきてしまう。


【人間とは、愚かなものだ】


……頭を振って、その言葉を吹き飛ばした。

近藤さんは愚かなんかじゃない。
近藤さんは、新選組の人たちは違う。


自分に言い聞かせるように、心の中で呟いた。


すると急に広間の襖が開き、
そこから沖田さんが外へ出て来た。

不思議そうに沖田さんの顔を見ると、
私を見つけた沖田さんは苦笑いをしながら襖を閉めて、
私の隣へ腰を下ろす。




A「いいんですか?
近藤さんのお話の最中なのに」

沖田「ちょっと居心地が悪い気がして、
出て来ちゃった」




近藤さんの事が大好きな沖田さんでさえ、
そう思ってしまうんだ…。

外にいる私より、
中で話を聞いている皆さんの方が辛そうだな…。




A「沖田さんは、どう思うんですか?」

沖田「ん?うーん…。
僕は身分とか幕府とかは、どうでもいいかな。
近藤さんがそうしたいならそれに従う。
だけど、僕が戦うのは幕府の為じゃない。
近藤さんの為だよ」

A「沖田さんらしいです」

沖田「そう?Aちゃんはどう思う?
今の近藤さんの事」

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 斎藤さんと恋仲になって欲しいです。 (2020年5月24日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月19日 7時

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