検索窓
今日:39 hit、昨日:58 hit、合計:213,756 hit

18:眠れぬ夜 ページ43

元治元年12月。
新選組の屯所へ来て、
早くも半年が
経とうとしていた。

ちー君たちが来た数日後には、
伊藤さんが入隊したりと、
慌ただしかった秋も終わり、
雪がちらつくようになった。

今は空に満月が綺麗に浮かぶ夜。
今日は眠れない時間を過ごしていた。




A「怪我だけはしないで欲しいな…」




誰かが聞いているわけでもないのだけれど、
それでも口にしないと落ち着かない。

今から一刻ほど前(約2時間程前)
屯所内が急に騒がしくなった。

夕餉の時間に山崎さんが現れ、
土方さんに耳打ちをした。

その内容は、今日の夜に
長州の人たちが動き出す。と、いうものだった。

私も行くべきかとも思ったが、
姉様が屯所待機になったため
私も同じく待機となったのである。




??「Aちゃん!」




静かな屯所内に響いた男の人の声。
誰だろうと少し緊張したが、
私の名前を知っている時点で
幹部隊士さんの誰かだろう。

座っている縁側に向かって、
庭を走ってくる見慣れた姿は一人だけだった。




A「永倉さん、一人ですか?」

永倉「千鶴ちゃんは?千鶴ちゃんはいるか?!」

A「姉様なら部屋にいるはずですが…」

永倉「Aちゃんと一緒じゃねえのか…」




何だか嫌な予感がした為すぐに立ち上がり、
大通連を持って姉様の部屋へと走った。

いつもなら
「廊下を走るな!」
という怒声が聞こえて来るのだが、
今はそれを咎める人は不在。

姉様の部屋の障子を勢いよく開ければ、
そこはもぬけの殻だった。




A「ど、ういう、こと…?」

永倉「長州の奴らと戦ってる時に、
訛りのない言葉を話す奴らがいたんだよ。
そいつが千鶴ちゃんに似た子を抱えてな。
土方さんが確認しに行けっていうから来てみたんだ。
クソッ!やっぱりあれは千鶴ちゃんだったのか…」




背中に脂汗が流れる。
その感覚が気持ち悪い。

何で姉様が…?
ちー君たち…?
いや、人知れず連れて行ってしまうような
人じゃない。

じゃあ、誰が…?

いや、今考えてる暇はない。
どうにか姉様の気配を探るけれど、
何処にもその気配は感じ取れない。




A「永倉さん!
私を連れて行ってください!」

永倉「いや、でもな…」

A「姉様が関わっているとなると、
私のせいかもしれません…。お願いします!」

永倉「……仕方ねえ!行くぞ!」

A「はい!」




気配を終えない限り目的地には辿り着けない。
私は永倉さんの後ろを付いて走った。

19:惨事→←****



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (55 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
185人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは!レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まほろ | 作成日時:2019年8月27日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。