＊＊＊＊ ページ42
原田「言われなくても
守ってみせるさ」
土方「お前たちも気を付けるんだな。
俺たちは壬生狼と呼ばれた狼だ。
まずは自分たちの身を守る事を考えたらどうなんだ」
風間「ふん。我らを倒すなど貴様らには出来ん。
はっきり言ってしまえばAにすら勝てん。
貴様らにAたちは過ぎたもの。
早い事こちらに渡した方がいいのではないか？」
土方「生憎だがな、
本人がここにいたいっつってんだ。
それを無下にはできねえな」
とても頼もしい言葉に穏やかな気持ちになると、
自然と笑顔になれる。
それは姉様とて同じようだった。
不知「……ハハッ！
何で俺たちじゃねえんだろうな。
天霧の気持ち、ちっとは分かった気がするぜ」
天霧「分かっていただけたなら幸いです」
風間「今すぐ連れ戻してやろうか…」
天霧「止めておきなさい。泣くだけです」
風間「ふんっ」
何の話をしているのやら。
だけど、ちー君が不機嫌という事だけは分かるよ。
風間「A、もう一度だけ言う。
我らが見かねた時は必ず連れ戻す」
天霧「風間、あなたの気分次第でしょうに」
風間「煩い」
A「大丈夫だよ。ちー君が教えてくれた剣術も、
天霧君が教えてくれた柔術もある。
私は、自分の身は自分で守るから」
天霧「あなたという人は…。
自分の力を過信した時点で負けます。
肝に銘じておくように」
A「分かった…。ありがとう」
三人は飛び上がり、
最初に立っていた塀へと静かに降りた。
風間「最後に言い忘れた事がある。
雪村家が滅んだと知った一部の鬼が、
何かを企んでいるらしい。
お前に何か仕掛けてくるやもしれん。
気を付けておけ」
A「鬼たちが…？
うん、気を付ける。ありがとう」
風間「行くぞ」
天霧「では、また来ます」
不知「あんま、一人で抱え込むんじゃねえぞ！
またな」
三人は風のように去って行ってしまった。
厳しい言葉ばかりだったけれど、
それは心配しての言葉だって分かる。
だからこそ受け入れ、
ちー君たちと敵対する覚悟を持ち直す事が出来た。
土方「仲良く喋ってんじゃねえよ」
A「すみません」
苦笑いを返す。
それでも「良かったな」と言われた時は
少しだけ胸が痛くなった。
次はきっと、
敵として会う事になる…。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます！これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは！レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです！コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まほろ | 作成日時：2019年8月27日 9時
