運命論者の悲み -5- ページ44
ファイル整理を終えて社内に戻るAと国木田。
這入った途端
「……!与謝野女医」
「あァ、Aかい。怪我の具合は如何だい?」
「御陰様ですっかり治りました」
「そうかい、そりゃあ善かッた」
「ありがとうございます。命拾いしました」
与謝野の治療に礼を云う人物は社内では珍しい。
Aは意識が無かったから良かったものの、意識が在れば……彼女の趣味嗜好の餌食となっていた。
命拾いどころか色んな意味で命を落としかねない。
礼など云う余裕も無く谷崎の様に震え上がるのが落ちだろう。
「Aさん!此の肉饅が美味しいんですよ!食べますか?」
「嗚呼。頂こう」
「賢治、お前片付けは済んだのか?備え在れば憂い無しと云う言葉が有ってだな……」
「ねぇー、駄菓子無くなっちゃったぁ」
「冷蔵庫にラムネが有った筈です」
「Aがこの前 乱歩さんにッて持ッてきてた備蓄が給湯室の棚にまだ残ッてたと思うよ」
「やったー!ありがとAちゃん!」
「いえ」
──
───
─────
銃を構える軽く、重い音が探偵社の扉の前で鳴らされる。
探偵社は銃など所持していない。
「見張りも無しか……。緩い連中だな」
赤毛の青年がそう漏らす。
「………」
片眼鏡をかけた白髪の初老の男がパチンと指を鳴らすと銃を構える周りの黒服達。
「“死神”以外は皆殺しにしろ」
男は扉に指先で触れた。
ドカァァァン!!
ドアは斥力で遠く弾き飛ばされる。
「「!」」
与謝野と国木田が直ぐに振り向き
「うわぁぁ!?」
宮沢が思わず声を上げ
「……来たか」
Aは大勢の黒服を見据え
「………」
江戸川はラムネを辞める事はせず、ただ大勢の客人を一瞥した。
「貴様達は」
「失礼。探偵社なのに
それから……
「ポートマフィアの……『黒蜥蜴』!」
「………」
初老の男と目が合うA。
「まぁ、大目に見て呉れ。用事は直ぐに済む」
────探偵社に、無数の銃声が木霊した。
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水無月碧音(プロフ) - 蓮(ルイ)さん» 覚えました!宜しくお願いします。最近少し忙しいですが次からは続編なので頑張ります! (2018年5月7日 23時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
蓮(ルイ) - 名前が変わっていると思いますが一応ルイです!これからは蓮です!更新楽しみにしています! (2018年5月7日 23時) (レス) id: aeb99a7d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます!暇つぶしで描いている絵を褒めていただき嬉しいです!頑張ります (2018年5月4日 18時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 絵が凄いです!驚きました!更新楽しみにしています! (2018年5月4日 14時) (レス) id: aeb99a7d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 神無月碧依さん» そう言って頂き嬉しいです!頑張りました(笑) (2018年3月7日 17時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月碧音 | 作成日時:2018年1月1日 22時