ヨコハマギャングスタアパラダヰス -17- ページ37
暢気な声と共に芥川の羅生門と敦の虎化が解けていく。
「貴方は探偵社の────!何故ここに」
樋口の驚きの声に太宰が自分の懐を漁る。
「美人さんの行動が気になっちゃう質でね」
取り出したのは先程まではめていたヘッドホンと小さな機械。
「こっそり聞かせて貰ってた」
「な……真逆、盗聴器!?」
樋口のポケットからも答えが出てくる。
「では最初から────私の計画を見抜いて」
「そゆこと」
太宰はAの側まで歩いて行くと手袋を拾いそっとAを横抱きにした。
「ほらほら、起きなさい敦君。
君は二人を連れて帰らなきゃいけないんだから。
三人も負ぶって帰るの厭だよ私」
「う……」
太宰が敦の頭をつま先で軽く小突いた。
「ま……待ちなさい!生きて帰す訳には!」
慌てて銃口を向ける樋口。
「くく……くくく…。
止めろ樋口。お前では勝てぬ」
「芥川先輩!でも!」
「太宰さん今回は退きましょう────
しかし人虎の首は必ず僕らマフィアが頂く」
「なんで?」
「簡単な事。
その人虎には────闇市で七十億の懸賞金が懸かっている。
裏社会を牛耳って余りある額だ」
「へえ!それは景気の良い話だね」
何でもないように笑ったが
「そして────貴方の抱える其の小娘、
“死神”を首領が御所望です」
『死神』と言う言葉に、ピクリと反応した。
「!へぇ……彼の人がAちゃんをねぇ」
「探偵社には孰れまた伺います。
その時素直に七十億と死神を渡すなら善し、渡さぬなら───」
「戦争かい?探偵社と?良いねぇ元気で。
やってみ給えよ────やれるものなら」
探偵社では見せた事も無いような真っ暗な瞳で芥川を見据えて言った。
「………ッ、零細探偵社如きが!
我らはこの町の暗部そのもの!
傘下の団体企業は数十を数え、この町の政治、経済の悉く根を張る!
たかが十数人の探偵社ごとき……三日と待たずに事務所ごと灰と消える!
我らに逆らって生き残った者などいないのだぞ!!」
「知っているよその位」
「然り。他の誰より貴方はそれを悉知している。
────元マフィアの太宰さん
そして」
「……」
「“ポートマフィアの死神”────高見A」
「…!!」
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水無月碧音(プロフ) - 蓮(ルイ)さん» 覚えました!宜しくお願いします。最近少し忙しいですが次からは続編なので頑張ります! (2018年5月7日 23時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
蓮(ルイ) - 名前が変わっていると思いますが一応ルイです!これからは蓮です!更新楽しみにしています! (2018年5月7日 23時) (レス) id: aeb99a7d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます!暇つぶしで描いている絵を褒めていただき嬉しいです!頑張ります (2018年5月4日 18時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 絵が凄いです!驚きました!更新楽しみにしています! (2018年5月4日 14時) (レス) id: aeb99a7d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 神無月碧依さん» そう言って頂き嬉しいです!頑張りました(笑) (2018年3月7日 17時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月碧音 | 作成日時:2018年1月1日 22時