【あんスタ】オレの隣の湊さん2【漣ジュン】 (ページ33)

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「頬っぺたつねられて喜ぶなんて気持ち悪いね！！」

「うるせぇ！！嬉しいものは嬉しいんだよ！！」

何故かおひいさんと湊先輩の言い合いが始まり、それを呆れた目で見た湊さんは、体操座りをしている明星さんに近付くとしゃがみこんで目線を合わせた。

「明星」

「……え、A？」

先程から膝を抱え顔を埋めていた明星さんは、湊さんの声掛けで漸く顔を上げたため、マスクをしていない彼女を見て驚いていたし、湊さんもまた、顔を見て一発で当てられたことに驚いていた。

一方で、その明星さんの呟きもあり、他のTrickstarのメンバーとあんずさんは目の前にいる美女が湊さんであることにやっと気付き、「え！？」と衝撃を受けていた。

「どうしてマスク外してるの……？」

「こいつ単純でさ、音響のとこに入る時”俺と顔似てるから顔パスでいけるかな？”ってマスク外してたんだよ」

「割といいところまでいけたんだけどね。流石に機械の前まではいけなくて、それを見兼ねた椚先生が証明書を貸して下さったの」

本来であれば許されるはずのない行為。

だけど、”夢ノ咲が主催している伝統的な祭典を潰したくない”という主催側の意思が強く、今回ばかりは特例としてSSに無関係の湊さんや先輩の介入を認めたのだろう。

それよりも、普段顔を見せたがらない湊さんが、”顔パスでいけるかも”と、初めて自分の顔を武器にしたことにオレやおひいさんは驚いていた。