☆*キックオフ1『Jun&Mao』*☆

☆*14話*優勝と気付く気持ち* ページ17

ﾗｽﾄﾁｬﾝｽは潤のﾌﾘｰｷｯｸとなった。


潤はﾎﾞｰﾙを静かに置くと左腕の御守りに右手を当てた…


ﾍﾞﾝﾁにいる監督達の時計のｱﾗｰﾑが激しく鳴り出した。時間が迫っている…


『潤ｸﾝ、頑張って！』


真央は祈るように見守った。


深呼吸をすると、助走をつけた。


『ﾎﾞﾝｯ！』という音と共にﾎﾞｰﾙが弧を描くように舞い上がった。


選手『頼む！入ってくれ！』


誰もがﾎﾞｰﾙの行く末を見守った。


勢いを増したﾎﾞｰﾙはｷｰﾊﾟｰの指先をかすめ
ｺﾞｰﾙﾊﾞｰｷﾞﾘｷﾞﾘに吸い込まれるように入るとｺﾞｰﾙﾈｯﾄを揺らした…


監督『同点に追いついたぁ〜！！』


真央、優紀『やったぁ〜！！』


すると、間もなく試合終了のﾎｲｯｽﾙが鳴った。


選手『やったぁ〜！！同点だぁ〜！』


選手達は叫びながら潤に駆け寄り飛び付いた。


潤『次はPKだ！このﾁｬﾝｽ絶対モノにしよう！俺達は絶対に勝つ！だろ？』


選手『おう！』


そして、PK戦に突入した。


両者譲らずｻﾄﾞﾝﾃﾞｽになり、またもや潤がﾗｽﾄとなった。…外したら敗けである。


潤『絶対に決めてやる…』


呼吸を整えると力強くﾎﾞｰﾙを蹴った。


ｷｰﾊﾟｰは読みが外れ、潤の蹴ったﾎﾞｰﾙと逆の方向に跳んだ。


潤のｼｭｰﾄは気持ちよく決まりネットを揺らした。


『ピッピッピー！』終了のﾎｲｯｽﾙが鳴った。


選手『やったぁ〜！！勝ったぁ〜！』



潤に走り寄り抱き合って喜びあった。


〜ﾍﾞﾝﾁ側〜


監督、ｺｰﾁ、優紀と真央で抱き合って喜んだ。


全国大会、逆転優勝ある！


潤 (父さん？)


俺は父さんが気になり目を向けると
父さんは涙を拭っていた…


その姿を見て、今までのわだかまりが何だか解けた気がした…


それと同時に真央の顔が頭をよぎった…


思えばいつもｱｲﾂが傍にいた。


『俺にはｱｲﾂがいる…』



そう思うと寂しさもなかった…


ﾍﾞﾝﾁにいる真央と目が合うと、
とびっきりの笑顔で手を振ってきた。


潤『可愛いやつ…(笑)』



選手達はﾍﾞﾝﾁに戻った。


一人ずつﾊｲﾀｯﾁで喜びを分かち合った。


最後に潤が戻ってきた。


真央『潤ｸﾝおめでとう！優勝だね！』


潤『おぅ！お前…鼻が真っ赤だぞ笑』


真央『えっ！？』


潤は微笑むと、真央の頭をﾎﾟﾝﾎﾟﾝとたたいた。


真央『///』


‥‥そんな事されたら


鼻だけじゃなくて顔も赤くなっちゃうよっ///

☆*15話*同情？*→←☆*13話*奇跡を起こせ*

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