恋を知らない二人

28 ページ28

新しい仕事を始めて１週間



まだまだ慣れなくててんやわんやの毎日



疲れるけど帰って落ち着ける家がある



それがどれだけ幸せな事か実感している



私はこの3人での暮らしが本当に心地よい



田中くんの料理も本当に美味しいしね



早く家に帰ろうと歩いてる時に気がついた



『あれ？この辺りに田中くんの職場が
あるって言っていたような…………』



仕事を初めて2、3日は会社辺りの
土地勘がなかったけど



だんだんわかってきたら



田中くんの働いてる会社が近くである事がわかった



ちょっと興味が湧いて田中くんの会社を見に行く



出勤時間は違うけど就業時間は同じくらい
だから一緒に帰れるかな？なんて考えながら
田中くんの会社に到着



おぉ！大きい会社じゃん！



そう思っていたら偶然にも田中くんが出てきた



でも女性と一緒に



同僚かな？



これは一人で帰った方が良さそうだ



私は田中くんに声をかけずに
駅に向かって歩き出した



すると



「平野、待って！」



振り返ると田中くんと女性が近づいてきた



私は女性に軽く会釈をする



女性もペコリとお辞儀をした



背が小さくて可愛くてザ・女の子って感じ



女性と田中くんとの距離は近くて



もしかして社内恋愛の彼女かも？と思っていると



「俺、今こちらの平野さんと住んでるんだ」



えっ？！



「だから家に来られても困るから」



その瞬間



私は間違いなく



女性に



睨まれた

29→←27

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す