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149針 ページ7

マフィアと戦ってはいけない……。



でもこれ以外に社長を助ける術は無いんだ………。









……あの人なら………如何するだろう?





私は心の中に一人の顔を思い浮かべる。



しかし今この状況でどこにいるかも判らない人を頼るのはあまりにリスクが高すぎる……。






如何すれば、如何すればこの状況を脱することが出来る………。






「来ない気か、敦、A。」




先を歩いていた乱歩さんが振り返って、私と敦くんを見遣る。





私は下を向いていた顔を上げ乱歩さんに視線を返す。





「なら黒幕を追う具体的な案はあるのか?」




「それは……これから立案を…。」




敦くんの声が徐々に小さくなる。



私も云おうとして口を開いたが結局言葉は続かなかった。




「だろうな。」





乱歩さんは頭を掻いていた手を離すと、敦くんに目を向けた。




そして《死の家の鼠》のマークの依頼をした田山さんの元に行くように指示を出す。




その言葉を聞いて敦くんは強い表情で歩いていった。




「それとA。」



『……はい……。』




乱歩さんはそれから私を見て目を薄く開く。





「何か思い当たる節があるならそっちを頼れ。



時間は無いが後で後悔するような選択を今するな。」




私は目を大きく開いた。



ああ……乱歩さんは私の考えが全部判ってるんだ。





私は口を引き締めてからしっかりと乱歩さんを見つめ返す。




『必ず間に合わせてみせます!』




私は乱歩さん達に背を向け走り出した。









『ハアッハアッ……。』




横浜の住宅街、店通り、高層ビル群の中を走り回って何分が経っただろうか。






息も上がりきって私はその場で膝に手を当て頬を伝う汗を拭う。




探しても探しても見つからない……!





『何処に居るの……?』





私は懐から携帯電話を出して先程から何回も掛けている番号を押し、耳に当てる。






頼む……出てくださいっ!!









「──如何した、A?」





何回かの着信音の後探していた人物の声が聞こえてくる。





『やっと出てくれたっっ!!



お願いします!………力を貸してください……。







漱石殿……!』




携帯を握る手に力がこもる。





「判っておる、お前達の状況は。



今から云う場所に直ぐに来い。」




『えっ……えっ!?漱石殿ッッ!?』




漱石殿は何処かの住所だけ云うと電話を切ってしまった。

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jumpcontrolbear(プロフ) - 砂漠のうさぎさん» コメントありがとうございます!なんと!!私の知らないところでこの作品の名前が上がっていたんですね!嬉しい限りです!!更新ゆっくりですが頑張っていきます!ありがとうございます! (2019年10月21日 0時) (レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - あるユーザーさんの紹介から飛んできて一気読みしました。原作の雰囲気を崩さないで新しいキャラが動いていて凄いと思いました。話の展開とか言葉のチョイスとかとても好みです…更新楽しみにしてます、頑張ってください!長文失礼しました (2019年10月20日 21時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!!あけましておめでとうございます!!また動くみんなを見ることが出来ますね!相変わらずの亀さん更新ですがよろしくお願いします! (2019年1月5日 23時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
- あけおめです!今年ほ更新頑張ってください!作者さん文スト3期4月放送ですよ!来ましたよ!!いろいろと大変かもれませんが頑張ってください! (2019年1月5日 1時) (レス) id: c482d4ca60 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!!番外編も読んでくださったんですね…(感涙)楽しんでもらえてなによりです!!亀更新ですが頑張りますので気長にお待ちいただけると嬉しいです! (2018年11月22日 9時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年8月31日 11時

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