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161針 ページ21

住宅街の空き地。


ブロック塀に座っているAは腕時計をチラリと見た。



『(今頃、社長は授与式か…)』



「うおおおおぉああぁあぁあ」




そんなAの耳に、雄叫びともとれる敦の叫び。




Aは静かにその方向に目を向けた。




『(ああ、真正面から行ったら意味無いよ)』




Aがそう思うのと同時に、敦は国木田によって地面へと落とされる。




「云ったろう、直線で攻撃するな。

反撃を貰いに行くようなものだ」





「でも……如何すれば」




呆れる国木田に敦は地面に倒れたまま見上げる。




「力に使われるな。

此迄もお前は虎の力に溺れた時に負けている。


一言で云うなら「虎は強いがお前は弱い」」




「!」





『敦くん、もっと相手の動きを見ないと』




座っていたブロック塀から降りてAは敦に近づく。





「Aさんにお相手してもらった時も、今と同じように簡単に倒されてしまいました……」





『う〜ん』




落ち込む敦に、Aは考え込むように顎に手を当てた。





『異能が無くても、敦くん自身がそれなりに強くならないとね』





Aは敦に手を差し出した。




「ありがとうございま──うわぁッッ!?」




敦は素直にその手を掴み、立ち上がろうとしたところで、Aに背負投げをされてしまう。





「い、たた……」





背中から落とされて痛みで歪む敦の顔をAは上から覗き込んだ。




『こんなふうに敦くんより身長も力もない私でも、簡単に敦くんを投げ飛ばせる。


要は、相手の力を上手く自分の力に変えられるかどうか、だよ』





そして再びAは手を差し出す。



流石の敦も疑うようにその手を見つめた。




『ごめんね、今度はちゃんと起こしてあげるから』





苦笑するAに、敦は恐る恐るその手を握った。



Aは今度こそ敦の手を引いて、起こしてやる。






「……Aさんは如何してそんなに対人格闘術に慣れているんですか?」




立ち上がった敦は土を払いながらAに問いかけた。






『私?

マフィアに居た時に教えこまれたし、私の先生が

″異能はいつ使えなくなるか判らない。そうなった時のために鍛えておくことは大事だ″

って云うのが口癖だったんだよ』





懐かしそうに、それでいて面白そうに笑うAに敦は、そうなんですか、と短く返した。



そこで国木田が腕時計を確認する。




「おいそろそろ仕事の時間だ」





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jumpcontrolbear(プロフ) - 砂漠のうさぎさん» コメントありがとうございます!なんと!!私の知らないところでこの作品の名前が上がっていたんですね!嬉しい限りです!!更新ゆっくりですが頑張っていきます!ありがとうございます! (2019年10月21日 0時) (レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
砂漠のうさぎ(プロフ) - あるユーザーさんの紹介から飛んできて一気読みしました。原作の雰囲気を崩さないで新しいキャラが動いていて凄いと思いました。話の展開とか言葉のチョイスとかとても好みです…更新楽しみにしてます、頑張ってください!長文失礼しました (2019年10月20日 21時) (レス) id: ad3e66ea3f (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!!あけましておめでとうございます!!また動くみんなを見ることが出来ますね!相変わらずの亀さん更新ですがよろしくお願いします! (2019年1月5日 23時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)
- あけおめです!今年ほ更新頑張ってください!作者さん文スト3期4月放送ですよ!来ましたよ!!いろいろと大変かもれませんが頑張ってください! (2019年1月5日 1時) (レス) id: c482d4ca60 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます!!番外編も読んでくださったんですね…(感涙)楽しんでもらえてなによりです!!亀更新ですが頑張りますので気長にお待ちいただけると嬉しいです! (2018年11月22日 9時) (レス) id: 10ce31b7ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:だし丸 | 作成日時:2017年8月31日 11時

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