【文豪ストレイドッグス】蜂の在り処 4章

165針 ページ25

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『お願いします』


最後にそう云って通話を切る。



政府関係者による改竄操作……。




『裏がありすぎるでしょ…』




グッと奥歯を噛みながら思わず笑ってしまう。



兎にも角にもまずは治くんの所に向かわなければ……。



止めていた足を再び動かして競馬場へ向かう。






･






ピリッ




『ッ!?』





突然私の背中を突き刺す視線。




その視線は殺気にも似た、あまりにも攻撃的な視線だった。




見られてる、というよりも殺すために観察している。



そんな視線だ。




不味い、此処は人が多すぎる。




昼間の街中ということもあって周りには沢山の人が歩いている。





もしここでなにか起きたら、周りが巻き込まれる。




………撒くか…。





私は大通りから狭い路地に入って、複雑に交差する道を進む。




一体誰が……？





ある飲食店の裏の扉の前でピタリと足を止める。






誰が、なんて愚問じゃないか……。



今回の依頼相手、そして改竄操作、探偵社、特務課。


それら全てが答えを示している。







やられた……。


私が撒いたんじゃなく、ここに来るように誘導させられた……。







ガチャ




銃口を向けられる音。




ゆっくりと振り向くと、そこには機関銃を向ける特殊装備をした人々。




特務課の黒い特殊部隊とは違う。


政府の管理する軍の特殊部隊だ。




「元マフィア参謀東野A！


両手を挙げて膝をつけ!!」





特殊部隊の一人がヘルメット越しに叫ぶ。




やってくれる……。






『元マフィア参謀？

何かの間違いでは？私はマフィアに身を置いていたことなんてありませんよ』



私はにこやかに両手を挙げなから距離を詰めようとした瞬間




パンッと私の爪先の十センチ前が撃たれる。



「とぼけるな！貴様の過去は全て調べあげられている。


抵抗すれば射殺の許可も出ている!!」




全員が機関銃の引き金に指を掛ける。




どうするべきか……。




「異能を発動する素振りをしても撃つ！


今すぐに膝をつけ!!」




頬にツゥと一筋の汗が流れた。



「貴様の同僚の身柄も確保した！


今すぐに降伏しろ！」




『同僚…？……治くん、か……』



私の身柄が洗われたということは太宰くんも同様な筈…。




私は大人しく膝をつく。




それを見て一人が銃口を向けたまま私に近づく。




そして私の手首を掴んで手錠を掛けようとした。








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『ごめんなさい』




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