黒帽子 ページ32
「じゃあもうちょっと深いのをご所望だったかな？」
『はっ倒しますよ？』
Aはこれでもかというほど顔を歪めて怒りを顕にする。
・
「おい、何してんだテメェら」
そこでふと二人の耳に声が届く。
太宰は覆い被さっていた体制を戻して声の方を向くと、その口からは珍しく舌打ちが漏れた。
『(わ、珍しい瞬間を見た)』
太宰のその様子にAも驚きながら声の方を向く。
いや、向く前からその声の主が誰かは分かっていたが、確認のために目を向ける。
「最悪だよ、何の用だい？
中也」
路地裏に入る手前で腕を組んで立っている中原。
辺りはすっかり暗くなって、通りの街灯によって中原の影が路地裏へと伸びている。
「あ？テメェこそ何してんだ太宰」
太宰と中原は同じように不機嫌そうだ。
『(ほんっとに仲悪いんだなぁ)』
Aは二人の顔を興味深そうに見比べる。
「そもそもなんで君はこんな処にいるんだい？
マフィアならマフィアらしく自分の縄張りだけにいればいいじゃないか」
「今日はこっちにも用事があったんだよ。
たまたま通りかかったら人の気配がして、見知った顔二つが何やらやってたんで、声掛けただけだ。
文句あんのか？」
中原は首に手を当てながら面倒くさそうに答えた。
「ん？Aは中也と面識があるのかい？」
『えぇ、まぁ』
黙って聞いていたAに太宰が質問すると、濁しながら答えるA。
「ポートマフィアからの依頼？」
『ノーコメントで』
更に詮索しようとする太宰にAは素っ気なく答えて話しを終わらせる。
「で、テメェら二人は何してんだこんな路地裏で。
男二人で気持ち悪ぃ体制しやがって」
中原は眉を吊り上げて軽蔑するような眼差しを向ける。
「………え？中也今なんて？」
太宰は中原の言葉にポカンと口を開けた。
「何してんだって聞いたんだよ」
「いや、その後」
「あぁ？……男二人で気持ちわりぃ体制しやがって、って…」
太宰は口を開けたままAの方をゆっくりと見た。
Aは太宰とは反対の方向を向いて目を合わせないようにする。
「え？中也本気で云っているのかい？」
「なんだよッ！さっきからッッ！！！」
太宰の質問の意味が理解出来ずに中原は怒鳴り始めた。
「Aは──」
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jumpcontrolbear(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて何よりです三└(┐卍^o^)卍 (2019年8月13日 1時) (
レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とっても面白いです！！作者様すごいです！！ (2019年8月12日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 裕さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです！！更新頑張るので楽しみにしていてください！ (2018年4月6日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 続きが気になります！めっちゃ話に引き込まれて好きです！夢主さんも凄い好みで！更新頑張って下さい！ (2018年4月6日 14時) (レス) id: 6354e2d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - やひーさん» ありがとうございます！頑張りますね！！ (2018年3月19日 0時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2017年8月31日 1時
