みたらし団子 ページ28
獣はボクの元に戻ってきて、ボクの腕の上で口を開ける。
その口から落ちてきた猫をしっかりと掴んで、一応怪我がないかだけ確認する。
〔猫一匹にわざわざ俺を呼び出すとは、Aも情けないな〕
ボクの頭上から見下ろすように話す獣。
『うるさいよ、ちょこちょこ逃げ回るこの子が悪い』
両腕で抱える猫を見ると
「ニャー」
と嬉しそうに鳴く。
『ボクは君と遊びたくて君を追いかけてたわけじゃないんだよ？』
話しかけても云っている意味が分かってないのか、大きな目でボクを見て首を傾げる。
…あぁ……もう、可愛いな……！！
〔猫が嫉妬するぞ〕
獣が云ったのはボクが抱えてる猫ではなく、ボクの異能の猫のこと。
『ん〜…引っ掻かれそうだな』
〔また急に呼び出して…夜、みんなに文句云われても俺は知らんからな〕
『分かってるよ、ありがとね』
ボクが云うと獣は影の中に入っていき消えた。
ボクの異能は普段は好きなようにさせてる。
しかし、獣はすべての動物達の集合体のようなものなので、獣を使う時は横浜の影に潜んでいる動物達を呼び戻さなくてはならない。
毎回急に呼び戻すので、夜部屋で寛いでいると、以前中原さんと戦った日のように文句を云われる。
『まあ、慣れたけど』
腕の中の猫を撫でながら呟くと、嬉しそうに鳴いてゴロゴロと喉を鳴らしながら眠ってしまった。
「ん？あれ！Aじゃーん！何してんの？」
繁華街に戻ってくると突然後ろから声を掛けられる。
『あ、乱歩さん』
声を掛けてきたのは探偵社員の一人、江戸川乱歩さん。
乱歩さんはボクの背中を遠慮なしにバシバシ叩きながら高笑いして、腕の中の猫を見る。
「あぁ、和菓子屋のお婆ちゃんの依頼か」
『推理して云うくらいなら聞かないで下さいよ』
ボクの呆れた言葉に乱歩さんは気にかける様子もなくヘラヘラ笑う。
「あ、A！和菓子屋さん行くなら、みたらし団子買って持ってきて！
後でお金は払うから」
『…それは依頼ですか？』
「うん、依頼！」
ボクは大きくため息をついて
『ご依頼、江戸川乱歩さんから承りました』
と答えた。
乱歩さんは満足そうに笑うとボクとは反対側に歩いて行ってしまった。
ボクも歩き出して和菓子屋さんに向かう。
『なんか今日はあっちこっち忙しい日だなぁ……』
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jumpcontrolbear(プロフ) - ゆきさん» コメントありがとうございます！！楽しんでいただけて何よりです三└(┐卍^o^)卍 (2019年8月13日 1時) (
レス) id: 34857aaa52 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - とっても面白いです！！作者様すごいです！！ (2019年8月12日 1時) (レス) id: e69c1b6ddb (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - 裕さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて凄く嬉しいです！！更新頑張るので楽しみにしていてください！ (2018年4月6日 23時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
裕(プロフ) - 続きが気になります！めっちゃ話に引き込まれて好きです！夢主さんも凄い好みで！更新頑張って下さい！ (2018年4月6日 14時) (レス) id: 6354e2d8d5 (このIDを非表示/違反報告)
jumpcontrolbear(プロフ) - やひーさん» ありがとうございます！頑張りますね！！ (2018年3月19日 0時) (レス) id: c47121f885 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：だし丸 | 作成日時：2017年8月31日 1時
